A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

★ SKS

前勤めていた会社から仕事のオファー。

久しぶりに明日は通勤(?)となる訳で、何とも言えない感覚になっている。遠足の前日とも違うし、とにかく不思議な感覚である。入社した時はどんな気持ちだったか。311の直後で、入社よりも現実の自然現象に驚く方が大きかったかも知れないが、もう忘れた。

ただ、常に何かやりたい事があったから、今も変わらないが、多分平然と普通だったかと思う。

高校の入試の時は、待合の教室で、無線と實驗を読んでいたのを入学した後から同期に指摘されて、肝が据わっているのかナメているのか、雑誌読んでるスゲー奴が居た。という印象だったそうだ。

そういう自分は、最後の最後迄、試験の云々を予習したとて、覚えられないし、自分の力量でしかないから、楽に普通にしていたのだと思う。今も変わらないけれど(^ω^;;)

今回はどちらかと言えば、前やっていた事を数年越しに突然やってくれと言われて、出来るか心配になっているのかも知れない。

どちらにしても、社長のお願いならば断る事もないなと。

 

§ 

 

SKS。精工舎が戦時中に作っていた時の名称で、星のマークがあるのが特徴的。

市場に出回る物はスクエア型が主。

壊れ物が出ていたから買ってみた。

修理依頼品では無い。

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24時間表記の紅色は褪せているが、オリジナルプリント

戦時中ということもあってか、振り玉はガラス製。

白の陶器の振り子の物は、占領國期の明治時計で見られる。
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動作はするが、止まるとの事。

時報側は噛み込んでいたから動作していなかった模様。

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筐体は文字盤に対して小さく、使用の材木もケチっているらしい。

振り子の調整部の扉も小さく、時報ズレ合わせの送り棒も下へ出す空間が無い為に、左上に出してあった様であるが、欠損している。

機械は逆転に対応しているから、必要ないと言ったらそんな具合。
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アンクルが上向きに出ているのはグレシャム特有かも知れない。

竿長さを筐体一杯に使って精度を上げようという事である。

中抜きのないガンギは精工舎が自社でプレスした物であろう。

中抜きしないで板無垢の儘というのは珍しい様にも見受けられる。
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此の儘でも良く動きそうである。売主はどういう動作確認をされたのか?していないのかな。

クレーム防止に動かないとしたのかも知れない。

非常に綺麗で、数年前にOHを受けている様な具合にも見え受けられる。3年OHを守っていたかの様に状態は最良。

給油もされているが、短針部分もビショビショで緩々、短針がプラプラ状態に近く、本剣車もビショビショ。時計屋が油をくれた様には思えないが、状態が良いから驚く。
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案の定というか、洗っても殆どクズは出ず。

摩耗もなく、使っていたのか寝ていたのか不明であるが、寝ていた可能性も考えられるかも知れないが、詰めた跡はあるから、手直しは最低でも1度は入っている。
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検査。
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組み立て。


非常に良い状態。円滑に良く動く。
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良く動くことを確認して給油。仕上げ。
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上へ伸びていて何とも不思議な格好である。
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ちょっと試運転。調整もやる。

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文字盤はベークのペナ板に紙貼り。

何ともお粗末。戦時中下らしい風合い。
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デザインはこれ用という事も無く、毎度のフォント。

右のゴシックらしい方が精工舎の中では珍しいかも知れない。

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こちら同じフォント。
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岡田乾電池の広告附は、豊郷小学校旧校舎群にある子時計と同じフォント。

電気時計はゼンマイ式部門と管轄が違うのか、似ていそうで似ていないフォントが採用されている。