A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

時計屋になる。

今日は発振電球の増幅器屋から、時計屋に転職する(笑)

手持ちの掛けが何十台あるのか把握していないが、動かしていないのも含めて、9割方は手入れ時期を越えている。

売れ残っていたり色々であるが、大ぴらに売っていない、声が掛かるのを待っている感じであるから、売れないのも致し方ないのであるが、以前は問い合わせがあったものであるが、それ程、熱のある人も少なくなったか。まぁ良い。

 

さて、1台目。預かり品を手入れする。

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捩れバネの勢いは180°を超えて振っているから具合の良い時は良さそうである。
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1振動5秒刻みで進むから、歯車が殆ど動かない。

そこへ埃の1つでも挟まるとトルク伝達が悪化するから、すぐに具合が悪くなり動かなくなる。

また、弱いトルクで動かさないと、捩れバネが振動を起こしてパタパタと力任せにバネの捩れに関係なく動いてしまう。

バランスが非常に重要な機構である。

機械洗浄と台上げして全体長を高くした。

これにより、振り子が台座へ触る率は少なくなった。

ただし保持台座から脱線する可能性は高いから、必ず移動、調整の際は、バネに負荷を掛けぬ様、完全に保持座を上げる事。

 

 

 

2台目。

これはダイアルのデザインの珍しさだけで仕入れてしまった。

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目がおかしいのかと思ったが、楕円ダイアルである。

何か潰れていて微妙な感じが妙に惹かれてしまう(笑)
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しかしまぁ良くもグチャグチャに壊したものだ。

棒リンは1本折っていて、最悪な事にチンチャンであるし。1ショットがスカだ。

ネジは緩いし、ギャップ不良。

機械もダメかも知れない。とんでもない廃品を買った感が強い。高値出したのは失敗だったな…
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ダイアルは凝っていて数字の切出し無垢をナット止め。なかなか凝っていて良い。

この後のは、コストを削るのに、押し出しプレスの簡易品である。
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ヤバイかと思ったが、何か綺麗である…
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ポンチの向きチェックが入っているが、ポンチ…というか、表面をベコ叩きしたみたいであるが、弱く叩いただけで、詰まっていない。

何がしたかったのかワケワカメ。

機械は綺麗であるから、状態はまずまずかも分からない。

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フカヤマ
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深山
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深山
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フカヤマ 深山。

…どんだけサインしてるんだよwww(爆)

協立時計製であるが、最早フカヤマ勝ちである。

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バラしていて思ったが、機械の状態がスコブル良い。

ゼンマイは緩めて拭いているらしく、かなり綺麗。

もしかすると、フカヤマ氏は時計屋なのかも知れないが、それにしてはお粗末な部分が外見では多い。

時計技師試験かで、手慣らしにバラしたり組んだりやった機体と考えると、まぁそれもあり得るかも…?と思ったり。そういう自分は技師認定みたいなのは持っていない。

このデザインの機械と棒リンからすると、機械は戦前の1週間巻の改良型で本打ち式にして、棒リンがやはり昭和30年代辺りっぽい様な気はがする。推測。

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あまり汚れていないし、緑の油がくれてあったから、やはり時計屋仕事かな。

この汚れの具合からすると、20年か30年前に手入れしたかなと思う。
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組み立てる。
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調整無しで組み上げられた(^ω^;;)

ゼンマイ止め輪を外してやると元気に動いたから、具合良いと見受けられる。

後で摩耗遅らしに給油しておく。
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棒リンのストックが何個か有ったと思ったが、結構折る機体が多くて、修理で使ってしまった様だ。1つしかなかった。

ラクタも修理の時に必要になるから捨てられない(^ω^;;)

尋常の頃は骨董市で時計やら蓄音器やら、色々買って壊しては組んで、ダメにしたり色々やったが、そうでもしないと経験にならないから、何でも研究しないと上手くはなれない。

そんなで、積り積もって色々あるわけだ(笑)

要はガラクタに見えて、ガラクタではなく、材料なんだけどね。側からすると、そうは見えないでしょう(笑)致し方ない。

蓄音器のガラクタも結構あるから、修理には困らないかも知れないが、もう修理依頼も99%無いだろうから、スクラップで売っても良さそうであるが…捨てられない性が出てるなぁ(ーー;)

切れたゼンマイも鍵繋ぎすれば使えるし…。f:id:A2laboratory:20220208172227j:image

有ったのは精工舎の60cmかの振り子の棒リンかな。音がそれっぽい。

横にしても入らないから致し方ない。オリジナルで我慢する。
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試運転。

う〜ん。やはりミテクレとは裏腹に機械は最良みたいだ。

動かしていなかったのか、手入れが行き届いて良い状態を保てていたのか分からないが、ミテクレでヤバイのでも、案外中身は良好だったりする事があるらしい。

稀だとは思うけど。良いのに当たったのか、何とも言えないが、大切にされていた事は間違えなさそうな機械であるが、その次のオーナーが棒リンを折ったりやったのかなぁ。分からないし知らなくても良いが(笑)

 

 

 

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3台目、光星舎の親時計…とやりたい具合だったが、朝からずっとやっていると指が冷たくズキズキ痛くなってしまったから、やめにした。

最近構ってやる暇がなくて、今見たら25分進んでいた。

もっと振り子長を長くしないとならん。機械も洗ってやった方が良いのにな…

あれからずっと動いているから、回路と磁気の具合は良好だという結果は得られている。

 

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とりあえずOH待ちは他に、かなりボロのショートドロップとロング八角

珍しい頭丸姫ロングはOHした覚えが。機械ピッタリが箱に収まっていて都内の小さい家にはお似合いである。

掛ける場所が無くて調整待ちだったかな。

早く売りに出そう(^^;;