A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Northern Electric MD-1205

新しく(Junk)買ってきたから手入れ宜しくー。と渡されたトランク。

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手提げの革は切れてもう既に無かったから、縛っていた紐を代わりに巻いて少し運び易くした。

私宅は狭いのだ!(笑)

(主に部品が有り過ぎる。

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ノーザン(NE)はウェスタン(WE)の提携というか、カナダ版のWE。

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この型番では出てこなかったけれども、調べると201Aが本機に相当。おそらく同じ。

本来は4AのP.Uが付いているらしい。

本機にはカナダの少し新しいP.Uが付いているが、鉄針タイプだから、時代的には古い事には変わりない。

4Aもそうだけれど、鉄針と書いたけれども、実際に映画館等で使われていた時には、永久針を使っていた。

永久針と言っても、鉱石のチップの付いたもので、半永久的と言えども、接着が剥がれたら不良になる。

 

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ACインレットが紛失していたから作る。

作ると言っても、出来合いを買って組み合わせただけ。

なに誰でも出来るわい(笑)
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プラグを磨いたら、これで完成。

次。
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P.Uは来た時にも確認していたが、数週間(?)して忘れていたが、針を止めるネジが途中で破断している。最悪なパターン。

まぁ良い、次に行く。

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モーターは普通のWEの物である…
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と思ったが、これはブラシモーターなのである。

ここはカバーが掛かっていた様な気が?
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それで、色々考えたのだけれども、当時は地域によっては、40c/sの発電所から送られていたり、60c/sだったりと、周波数が一定ではない。

調べると、140c/s〜25c/s迄幅があったそうである。

そんなで、シンクロナスモーターでは25c/sでは遅過ぎるし、140c/sでは速過ぎるしと、ガバナーで調整するにも範囲が広過ぎて困る。

でもって、この機体は可搬映画のトーキシステムであろうと思うから、各地でこの問題が起きて調整していたら手間だ。

という事で、ブラシモーターにして、電圧だけ合えば、周波数に依存しないで済む様にしたのだと思う。

なかなか考えてある。

そんなだから、50c/sであろうが、問題なく動いてくれる筈であるが、起動は手で回してもやっとで、かなり遅い。

トルクも上がらない。

モーターの分解掃除が必要な状態である。

 

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キャビネット内は、蓄音器あるある。針が転がっている。
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7A EQがあったと思われし穴。

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良く出来ていて何処が分割するのか分からない。

どうやって組み立てたんだ?
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構造を見ているとどうやら、後ろが分割しそうだ。
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当たり。
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カーボンで漏電しているかと思ったが、1kVで絶縁試験したが問題無かった。

モーターアースを外した理由はなんだ?

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ガバナは斜のついたカラに付いている。

ColumbiaのVivatonalがこれだった。
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乾燥待ち
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シャフト受けにベアリングが入っている。

ガラガラ鳴らない静かで良いドライブであろう。
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検査。

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整流子は磨いておく。

ヘッドと同じでギャップを破損させると台無し。

磨き方にコツがある。単に磨けば良いわけでは無い。
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勘でもうやめておく。

折角だからもっと綺麗にしたいのも分かるが、暫し深い。良い加減がある。

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3つ玉はバランスが良い方だが、回した時にモーターがブーンと振動しているならば、それは僅かに寄っているから、1つづつ微調整してやると静かになる。

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ブラシは火花も出ないし良い具合である。
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グリスをくれてやってモーターは完成である。

今日の所はもう終い。