Star Light、光星舎の親時計。
振りベラ折れで相手側紛失の状態で買い入れて、クリアファイルで振りベラを作って動いていたが、重い振り子が地震に耐えられず、伸びてしまった様で、時間単位で遅れる様になった。
機械も送り出しの爪とが噛み合わないから、下げて動かしていたが、余りにも不適当だから修繕する。
ハンズで焼き入リボンを買って来たから、これに交換する。
良いサイズに切り詰めて使う。
切るというより、抜き出すようかな。
本来は両側固定であるが、吊り部分は可動板で挟み込んで、この挟み込んだ量で遅れ進みの加減が出来るから、振り子は微調整箇所とする。
その方が振り子長を可変させるよりも効率が良い。
振り子長を可変させるやり方では、機械の送り爪とマグネットの位置出しを再調整する必要が出て手間である。
一度止めると再始動が手間でもある。かなりシビア。
シビアな割にナットが緩み易かったり、動かしたくない部分が回ったり、やはり厄介。
オリジナルはどうやって最終調整をやっていたのか?
綺麗に仕上がった。
厚めの燐銅の板が下へくれば、振り子長は短くなり進む。逆は遅れる。
実質的な全長は変えない方法の歩度調整。
テンプも然り、特にフランスの時計でよくあるスタイル。振り子には触らないで調整する様式。
組み付け、運針が持続する様に調整。
これが上手く行かない。
振りベラがまず垂直に出ていないらしく、振り子がヨレヨレとしてコイルギャップに干渉してしまう。
僅かのヨレでも、振り子が重いから、行って帰っての繰り返しで、増幅してしまう様である。
引っ掛けた時点で振りベラが均等に荷重が掛かっていないと生じる。
支えの引っ掛け部分をネジ対ナットであるから、ナットの8角形の部分が問題あり。
厚紙を挟んで、曲がりを修正。自由に垂直が出る様にしないとならない。
それでも動き続けず、タイミングスイッチの再調整をするもやはり動き続けられない。
機械バランスは指示が出ていて、それに合わせているから、タイミングスイッチ自体を数mm動かしコイルと振り子の良いタイミングを見計らいながら調整。
再度タイミングスイッチの接触割合を調整し、どうやらクリランスが0.3mm以上有ると接触時間が短くなるから、勢いが付き難い様だ。
然し乍ら、0.3mm以内になってくると、今度は歯車側のガタと偏差があるから、接続しっ放しになってしまうと振り子が急激な停止を起こす。
それもそうで、マグネットが引き寄せられた儘になるから、行きは引き寄せられて良いが、帰りも引き寄せられているから、ブレーキになる。
そんなこんなで良い塩梅に運針が持続する様になった。
歩度が振り子の調整範囲にあれば有り難いが…
如何なものか。
親時計とベルタイマーが入っているから、1台2役で、小時計は30秒型、信号出力時間は2秒。
ベルタイマーは鳴動時間5-25秒で、5分刻み。
光星舎の中でも、銀文字盤にギリシア数字だから、大正13年以前かなと推測。
少し新しくなれば、アラビア数字。
銀や錫の文字盤はいつ迄作っていたのか分からないが、昭和に入るとアルミかプリントになる様に思う。
小時計は大正期でもペイントもアルミもある。
これは阿部彦吉の電気時計でも同じで、フランス、レオンアト ATO Clockでもやはり同じく銀文字盤が採用されている。