A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Clarkstan 201 variable reluctance.

修繕依頼品

クラークスタンの201。モノーラル。

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バリアブルリラクタンスとある。古い電蓄のP.UはU字のパーマを搭載していて、ギャップの中に針を入れる構造だから、バリレラで同じ。

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当時はマグネチックと言っていたかと思う。

それに対してマグネットを使わないX-talはロッシェル塩のP.Uで、セラミックP.Uが圧電型。

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Zenithコブラだけは特別で、AM変調の高周波バイアス型。

これもマグネットは持たない。

振動子の横にコイルが巻いてあり、発振させてその振幅の高周波変化を抽出する。

オスミウム鉱石のチップで高耐久、安価、壊れ難く扱い易いのが特徴。

専用のオシレーターが必要。

MM、MCは以下の構造である。

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VR、MM、MCは発電量の違いだけで基本は同じ。mag入力に入れれば鳴る。

メーカー指定の負荷抵抗なりパッシブイコライザーはそれぞれ異なるから合わせる必要がある。

§ 
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音が出ないとの事だったが、オシロで調べると発電しているから接触不良だったのかな。
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分解すると内側の端子部分に33kが入っていたが、一回切ってハンダし直したらしいが外れていた。

ダンパーは硬くなっている様だったから外してみたが、既に交換済?

発泡ゴムの様な割りかし硬いのが3つ入っていた。

全体をダンパーで止めてしまって良いものか分からないが、支点があってそこから振らすのではなくカンチレバー全体が震える構造らしい。

蓄音器の場合は1:3か1:4程の割合でシーソーになっているが。

 

3つのダンパーがあると硬くなる印象があったから、内側1つを抜いてみた。

本当は底部分1箇所か、中央1箇所のダンパーの方が良さそうには思う。

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針は不思議なデザインで、良く良く観察すると手製らしい。

アルミ(?)のカンチレバーに、鉄の針金を添えてアロンアルファで固定している様だ。

折れ曲がっているチップの向きは折れ曲がっている側へ向いていて、外向きではないから、飛び出て方が前を向くと、ディスクに対して内向きに接するから抵抗が大きそうに思える。

気持ち悪いが、後ろ向きにすると良さそうだ。

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逆向きの状態で渡されたから、これで試聴してもらう事にする。