A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

光星舎の親時計 続

電源に繋いで上手く動いた迄は行ったが、3Vで動かしていた。

光星舎の後期の機体は単式電池1本、即ち1.5Vで良く動いていたから、定めし、この機体も1.5Vで動くはずである。

ただ、先の物よりもコイルが大きい様な印象があったり、バッテリーケースが箱状の物が付く様な雰囲気があるから、1.5Vではない可能性も考えられる。

また、コイルが沢山巻いてあると電流も流れ難くなる。

試しに電源電圧を絞ってやると、生憎止まってしまう。

そこで、回路内に入っていた絹巻き抵抗線をショートしてやると、1.8Vで持続して動く事が分かった。

どうも3Vで動かしていた様な雰囲気がある。

箱状の電池で、3Vが有ったのか分からないが。

次に、振り子の勢い付けの接触子の部分へ入る箱のコンデンサは、恐らくペーパーであろう。

容量を測ると500nfあったが、漏れが大きいから、これは止めて、外付けで0.47を付けたが動作には変わりない様である。

試しに5μFを繋ぐとどうなるのかも試したが、変わりなかった。

Cの両端をショートで電流がコイルに流れて、振り子を吸込み、開放になった時にチャージ電流が起きるから、大きく振り子が振る様になるかと思ったが、外れた。

10μFとか100μFとかの大きいのを繋ぐとどうなるのかも実験したが、逆にチャージが大きく、振り子を制動してしまう様で、逆に動き続けなくなったから、良い塩梅があるらしい。

 

振り子は、不思議に曲げられたパーマが付いているから、これの磁気が弱くなっている可能性を考えて、追加でネオジウムを幾つか貼ってみた。

これは効果があって、若干であるが、振り幅が大きくなった。

やはり当時からすると磁気が抜けている様であるが、大正期だとすると、そんなに良い強いマグネットは無かったと思うから、あまり変わらない可能性もあるかも知れないが、1年で数ガウスかが抜けるそうから、致し方ないのかも分からない。
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何とか電池1本で動かしたいから、爪を調整したり色々やって、振り幅は大きくないが、コイル幅だけ振って運針持続出来る箇所を見つけ出した。

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瞬間2.5mA程度流れ、1秒間に1回のペースである。

先の機体は3年くらいは単1で動いていた記憶がある。

今回は手持ち単2しかなかったから、1つ下のサイズであるが、1年以上は動き続けると思われる。

機械をOHしてやれば、また動作が軽くなるであろうから、快調に時を刻むであろう。

 

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歩度が遅れるのは、振りベラを吊る部分の留め金が短いからであろう。

厚紙で試したから、留め金にもならないが(^^;;

ワッシャーで止まっていた様なものである。

穴開け、切り出したが、0.4mmでも硬い硬い。

ヤスリで振りベラを切らない様に丸めて、平を出したら、挟み込み部分だけ少し内曲げにしておく。

でないと支点にならない。
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恐らくこの位の長さであろう推測で作ったから、後はカット&トライ。

長くしておけば、少しづつ削って振り子長を長く出来る。

振り子の歩度は精密故に、回しても細目で切ってあるから、殆ど上下しない故、かなりピンポイントで歩度を合わせてやらないと調整範囲外になってしまう。

1目盛、恐らく日差数秒と思われる。
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板厚とワッシャーで隙間に収まりが悪くなったから、ワッシャーを1枚抜いたら、これまたアンバランスになって具合が悪くなってしまったから、片方へ厚紙を挟んでやったら具合良くなった。

 

運針は継続している。

明日また歩度を確認する事にする。

 

ps:12時間で8分進みだった。

振り子を最下にしてまた調べる。