A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

サークロトロン実験

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そう言えば、こんな絵があったなと思い出した。

これは単なる絵?これで音が出るのか?という質問と共にネットに上がっていた。数年前に思う。

今思うとサークロトロンの回路だったのだな。

§ 

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その辺に転がっていた6V6で実験してみる。

転がってる割に高価なST型(笑)
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2電源はあるから実験には困らないが、かなりゲインが低い。

記事にもあった様に、半分はカソードフォロアーに働くとか。確かにその様である。

どうやったらゲインが上がるのかCを色々繋げてやってみたが上がらない。

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何処がゲインが半減する原因なのか探るため、回路を半分にしたらどうなるか試すと、これまた変化が無かった。上記の図がちょうど半分にした所。

この回路のループを考えてみると、入力マイナスがOPTの中央へ入っていると、プレートから出て来た反転信号とが混ざり合って、負帰還に働きそうである。

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次に、WE式にカソードへ速いループになる様にマイナスを繋ぐと、普通ゲインが得られる様になり、音が大きくなった。

この繋ぎ方で2つにするとどうなるのか実験。

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WE式のDC打ち消しみたいな感じであるが、面白い事にゲインはまた小さくなった。

何処がゲインを落とす原因なのか、再度調べると、片側の電源を外すと普通ゲインが得られる事がわかった。

OPTへ入れているクリップ外すだけで音が大きくなる。繋ぐと半減する。

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私の考えでは、CRを除いて考えると、上記の挿絵の様にループが成り立つから、OPTへ流れる分と球へ流れる分とで分岐すると、効率は悪くなるのかなと。

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信号のループを考えてみると、プレートへ反転信号が出るから、これが互いに入ると信号も打ち消しになりそう。

センターがアースポイントにはなっているが、グリッドのバイアス取り出しだけだろうから、やはり打ち消しになってしまうだろう。

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普通一般にppのOPTは電流が上下で分岐して、合成しているのであるから、これは合成ではなく、打ち消しをしている事になりそうである。

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出力されている事が不思議の様にも思えて来た。アンバランスがあるから、その差が出力される(?)

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良く分からなくなってきたが、1つ1つ考えると、上から下に入ったのが正相で出力されるならば、下から上へ逆相で入れば、それは正相で出力されるから、打ち消しにはならないのだなぁ。

その証拠に、同相信号を入れてみるとピタリと信号は出なくなった。

ただDCは相互で打ち消し合うから、OPTの両端は0Vに近い状態になるから、直流磁化はしないが、ppのOPTの一般の使い方も上下で電流が互いに打ち消しに働くから、磁化はしない。

シングルの場合は磁化防止にギャップが設けてある。

 

そうなると、もう1本の方に信号が吸われてゲインが減ってしまうのかも知れない。

音は良いかも知れないが、効率が悪いから、一般的に普及しなかった可能性は考えられる。

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とりあえず、一般に普及しているpp構成は大きいケミカルを必要としないWE式で十分ゲインも得られてHiFiである。

カソードに入れたコンデンサは信号が通るし、電源の大きいコンデンサを信号の通り道にしている普通の回路よりも、最短距離のループの信号の通り道を作ってやった方が余程素直な音が出そうである。