前々から依頼は受けていたが、球の構成が決まらない、トランスを調達してもらうも合わないやら、1個しかないやら、色々あって放置状態だったが、此の儘では多量の品物の保管も大変であるし、まだこの奥にも色々な物で埋まっているから、兎に角片付けたく、動き出した。
あっちこっち決まらない様子だったが、昨今の普通ではない構成であるし、博物館級な真空管でもあるし、とりあえず音を出せるか?という所から、作ってみてダメなら、次新しく作って、更新すれば良いのでは。という具合で進めた。
239AはVT5のデカくした様な球で、結構レアらしく¥100k程する様だ。
手持ちは支給されていたVT2、UV202、VT1である。
UV202はPd 5Wだったと記憶。VT2も同じか。
VT2をカソードチョークでppとして単段動作させて実験。
チョークで反転させるのと同じだからデカップリングは入れられない。
然し乍ら信号ループを考えると、カソードとグリッドで早く繋がれば良いわけだから、カップリングをカソードに入れて、グリッドはチョークを出た後の所から、グリッドリークとすれば、バイアスも掛かる。
実際に音が大きくなったから、早くループする様になった。
モコモコが晴れた様な明るい音である。
次にVT1を初段として追加してみる。
チョーク負荷でEbbは40V以下にした時に一番ゲインが上がった。高圧を印加していると締まりはあるがμが低くなって具合が悪かった。
VT2は5Wの球らしいが、ppでも500mW程度の出力しか得られなかった。
必然的に、現代的な回路でが上手く動作せず、Westernの古い構造の回路で組まないと、音量が得られないという事が分かってきた。
信号ループと球の動作電流とが同じ括りでは上手くない。
コンデンサで帰還を早くしても、何かナローな帯域になってしまって変な感じである。
WEの方法だとかなりワイドに鳴る。低域も充実している。
研究が必要な事は言うまでもない。