A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

OS51 音出し

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昨日に続いて今日は音を出してみる。

前段とsgだけBを供給し、大信号を入れるとやはり終段のプレートに高圧を印加しなくても音が出た。

前段が動作している事を確認。

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終段Bの整流管も挿してみて、Bが幾ら出るのかチェック。立ち上がり2秒で780V程度。

30秒程で730Vへ落ちる。

シズキの工業向高耐久品は800V定格だから、まだまだ余裕。

フィルムの47μFだからショートさせるとインピーダンスが低いから大変危険。溶着するか、溶断して弾ける。

平滑は1段しかやっていないが、パワーは普通のケミカル以上にあって物凄い。

値段も物凄いが、ケチるとケチっただけの皺寄せが来る。

終段のカソード電流を見る1Ωの抵抗を入れたが、抵抗間15Vが出る。

1Ω間に15Vというと、15A。有り得ない。でもってプレートは赤熱もしていない。

おかしい、おかしいぞ。テスターで測ったら1Ωのはずが15MΩ。

不良キター(爆)

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他も見たら、2.3Ωがあったから交換してしまう。

1Ωオーダーだが、実測2.3Ωだと、+130%誤差っていう。

長期保管品でも壊れている可能性はある。まぁまぁ壊れない物は無いから致し方ない。

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改修して再度。

音は出ている。部屋を共振させる盛大なハム音とバズが(笑)

Bはかなりリプルが残る元の設計通りではあるけれども、それで満足行っていたという事であるから、他に問題がある事は間違えないから、原因を探る。

終段のフィラメントはグランドに落としても落とさなくても変化ないから、ここではない。

前段はハムバランサを付けると、大小変化を起こし、グランドに落とすと半減する事は分かったが、まだ朗々と鳴っている(笑)

音楽ソースでかき消すには、かなりの音量がないと上書き出来ない。

何処へやると静かになるかやってみると、-Cが静かになった。

次いで、接続のchにバズが出るが、もう片chは静かに出来たのはコンバーションのカソード。

 

前者は-Cだから、H-K間が140Vになってしまう問題がある。

後者は信号とバイアスを共有出来ないが、 H-K間を15V以内に収められる。

6SL7の規格は H-K間90V程度であろうから、B+からブリーダーで40V程度得る様にして、+バイアスを印加すれば良い。

オリジナルの回路ではセンタータップアースで良いらしいが、これで静かになっていたのかな?

ECC40はそういう面で優秀か?

 

-Cよりか一段と静かになったが、聞こうと思えばハムは出ているが、気にしない方向で。と割り切る当時の事を思えば、オリジナルに近い状態であろう。

実測10mVで、-Cバランスでハムレベルがやはり変化する。

ハムレベルの一番小さくなる場所がppの中央と思えば良いだろう。

相互打ち消し効果でもある。

 

§ 

 

昨日の-Cバランスが成り立たないと書いた一件で、連絡があったから内訳を。

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Fig1はオリジナル回路に近いもので、-CバランスのVRはなく、2つの抵抗で分岐しているだけである。

これにVRを追加して-Cバランスっぽくやったのであるが、これでは全くもって役に立たないバランスVRになるのである。

一見して上下で調整が効きそうに見えるが、これでは数百μV程度か、数mV程度が可変する程度になるだろう。

そういうのも、このグリッドはAB1動作で、電流は流れない使い方とされている(実際には数百μAは流れる)

よって、100kであろうが1Mであろうが、-50Vを入れても電流が流れなければ、抵抗で阻止する事は無いから、-50Vが現る。

よってこれでは無意味なのである。

Fig2は、-Cバランス部分へ電流を流して阻止する分圧分を分けて出す様にしたもので、基本型である。

これであればバランスVRとして機能する。

なるべく抵抗値を低く、且つ電圧変化を大きくとりたい場合は電流を多く流す必要がある。

AB2の場合に巻線型を使う理由はそこにある。

AB1の場合はカーボンでも事足りる、大きい数値で良くなることであろう。

抵抗値が低ければ、それだけインピーダンスが下がるから、安定度はドッシリと増すが、それだけドッシリした動作をさせられる前段が必要である。

AB1であれば、大凡電圧だけでフワッとしていても問題にならない。

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Fig3は少し変わった様式で、2連Bを左右反転で使えばバランスになるし、単連であれば個別に接点出来る。

ps:Rgが抜けている

電流を流さなければ、安いカーボンVRでも良いわけである。

VR1-3間の抵抗値は1/2になるから、1個あたりの電流も1/2になる。250kならば125k。