A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

小型に納めた815pp

小型に納める分、出力も幾分小さくAB2には掛からない迄も、早い段階で歪まない様に設計した。

DCバランスを気のする人は多いが、ACバランスを気にする人はかなり少ない。

だから今回はACバランスを調整する事にして、DCはバランス調整無しにした。どうなるかな。

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SGは200V程で良いから、VR75でドロップさせて使う。

B電圧が300よりか高い場合はVR105、350以上であればVR150に変えたら良い。
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抵抗はフィリップスの高精度を使ったから、それに合わせてフィリップスのコンデンサが使える所は注いでみた。何某かが良いという訳ではなくて買い込んだ在庫を使う事も含めて。f:id:A2laboratory:20220619222304j:image

初段に5965Aを用いて、試験的に鳴らしてみるとマイクロホニックが大きくて驚いた。

利得が大きいから、高感度である分、マイクロホニックが結構なもので、シャーシを小突くだけでスピーカーから、コンコンと鳴り、静かでないが、古典球の様と思えばこんなものか。

コンピュータ向けの球であるから全くもって古典球ではないが(^^;;

 

ps:手持ち在庫と交換してみたらマイクロホニックは殆ど無くなりゲインも少し大きくなった様な雰囲気がある。

どうやら当たり外れが大きい様な雰囲気。

 

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失敗した事に、-Cの平滑をより完全にすればハムが少なくなると容量の大きい2200μFを突っ込んだが、これのチャージを考えていなくて、数mAしか流さない設計にしてしまったから、充電に時間が掛かって、立ち上がりのバイアスが-5Vと低く、-30V程出ると計算していた電圧にも何時迄待っても上がって来なくて、-16V止まり。

改修が必要で、更にハムも残っていて、リプルも綺麗に取れないという残念な結果に。

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実験を進めていたら、少しビニールの焼け臭い感じがして、各所を触って確認したら、日ケミのデットストックだったものが触れないレベルに熱くなっていた。通電の初めに確認はしていたが、その時は冷たかったし、電圧は200Vの供給だったから、どうやら化学変化が急激に変になった様だ。

ケミカルはナマモノだから、古新品でも腐ってしまっている物は多い。封が恐らく良くない。

アメリカ製は、PVとWVのマージンがかなり取っているし、試験電圧も結構高いし、壊れた時の事を考えて、壊れ難く作っているから、容量が無くなる(化学反応が枯渇乾燥し終了)迄使える物が多い。しかしながら、ナマモノである事には違いはない。ケミカル=化学反応のコンデンサは寿命が一番短い。

メーカーは10年で要交換と警告しているが、無視した物は多い。実際に問題なく半世紀も使える物も中にはある。これは出来が良い。

オイルやマイカ、フィルムの類は、アルミ箔とアルミ箔の間に絶縁紙なりを挟んで積層にし、押し潰したものだから、絶縁が不良にならなければパンクなり、火を噴く事はない。半永久的であるが、容量が少なく、大きい点が挙げられる。

油絶縁の場合は、絶縁油が蒸発してしまうと絶縁耐圧が酷く下がり漏れ電流が大きくなる。

オイルが抜けていれば、注ぎ足して封をする。

今回のケースは、ケミカルのあるあるで、漏れ電流が大きくて発熱したのである。パンク寸前と言った具合だったが、防爆弁は作動していない。

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在庫を確認したら、既にパッキンが割れて、膨らんでいる物も多数。

低圧のカソードデカップリング程度ならば良いだろうが、高圧では無理である。

全部廃棄処分行きにするか、ギターのトーン回路かに使う人が居れば、そっちへ回す事にする。

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-Cの平滑を3段にするとハムは止んだ。

100μF3段でもリプルは取れそうだ。業務用機は470μF2段だった様な記憶が。

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手持ちの在庫で、欲しい耐圧で容量のが無く、有っても1個しかないという具合で、良く使うものはすぐに捌ける。

使わないのは量残るという(^ω^;;)

もっと小さい容量、100μFにしてみたかったが、-40V出るし、100V耐圧のを入れたかったが、これもないから、50V体圧で470μFが有ったからこれで試験。

充電に時間を食うのは変わりないが、速くはなっている。

Rgは25k。ドライブのimpは5.5k。4倍取ってそこそこ大丈夫。

815の推奨ドライブimpは500ΩAB2時だから、全くもって非力である。

AB1域しか振れないが、まぁまぁ一般の組み方であればAB1でも結構酷な動かし方なのは多いから、それよりかはパワフル。

古典欧州のフワっとした鳴りはしない、引き締まったガッツリ系。

その中でも、柔らかい寄り。バイアスをABよりかBに近付けているからかも知れない。

A級に寄らせるとかなり締まる。

でもアメリカらしいハッタリの効いたキラキラ系じゃないのは815の癖なのか、低域が出るから、高域が立ち上がっていれば、“らしい”と思っているだけかも知れないが。

まぁまぁ、RCAの工場が非常に怪しいという話もあって、古くから中東で作らせていたんじゃないかとか。得体が知れないRCAの面白い所かも(笑)

 

そんなでアレコレ試して良さげな事が分かったから、もう1台を組む。
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なかなか。慣れが来ると早上がり。
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定電圧放電管の隣の穴が不要になってしまったから、ストロボトロンでも挿しておくかなと思ったが、本機には入力ATTが無いから、プラグインのリモートコントロールとした。

VRがあるとハイの音痩せが出る事があるから使いたくはないが、5965が結構バラツキがあるから、それの調整に有ってもよいかなと。

気に入らなければ、ショートプラグを挿せば良いし、都合は良い。