A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

電源を強化した50BM8 シングル

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以前に買っておいた50BM8がある事を思い出して、ラグで小川電子の真空管PAアンプ風に綺麗に仕上げられるかなと思ってやってみた。

抵抗はデンマークの高いやつ(笑)

(高いクセに公差が大きいから、公差を気にするならばDaleの軍用1%の方が良い。

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電源部

毎度ながら、セミレス(P.Tレス)で作ろうかと思ったのだけど、BM8の3極部は結構ゲインが高くて、発振もし易そうだから、入力トランスが要り様になるだろう事を考えると、セミレスじゃなくて、トランス付にした方が安定度も出力も、音色もストレートに出来ると考えた。
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50BM8は、6BM8の50Vヒーター版。だからステレオで100になるから、電灯線へ其の儘繋げられるから、ヒータートランスやタップが不要になる。低コストである。

1本で3極5極がセットになっているから、初段と出力で1本で済む。

170V程で3W出るから、ステレオ6Wと、かなり高効率。

最大Ebbは250Vであるが、最大にしても3.4W程と、170Vで使った時と、殆ど大差ないから、定格一杯に使って搾るよりか、少し低めで動かした方が熱量も若干ながら引くから、寿命的には長くなるハズである。

それと、高圧を印加すると、低域の締まりが強くなる傾向があるが、同時に出ていない感も強まるから、ある程度電圧を落とすと低域に含みがあって豊かになる。

ブーストしているという訳ではないから、ブーミーに出来るという訳ではないのであるが。

NFBのある場合は、その辺りの変化はあまり感じられないかも知れないが、NF無しのストレートに鳴らした場合には、球の内部抵抗gmが出音に大きく変化があると言える。

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結構押し込んで作ったから、シャーシデザインは無理した感があって電源スイッチが横向きじゃないとコンデンサに干渉してしまうという(笑)

電気的設計は無理は無くて、定格マージンを取っているから、すぐに壊れはしないであろう。

その気になる出音はハムは無いし、電源平滑に普通じゃ使わない、合計2000μFものコンデンサを使用し、オイルやフィルム並みの低域の押しの良さを求めたから、低域がドンと来ても、その後の音がフラフラっとする事なく安定感はかなり良い。

残留リプルも殆どない。

高域もスッと伸びている音がして、曇った感じはなく明るめ。117N7に似ている。

球はRCAのメキシコ製。

117N7もやはり製造はRCAだから、ハイの明るい雰囲気はRCA特有かな。

 

 

ps:

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Gainを絞って使うと特定の位置で30kcの発振を起こす事が分かったから、改良して仕上げた。

SGには抵抗を1つ追加、バイパスに10μFを使ったが、どうも痩せる様な気がしたから220μFに変更。

ゲインの安定感が良くなった。

それでも球を触ると発振が始まり、やはり同じく30kcで、音としては聞こえないが、入力を入れると、僅かながら不自然に歪むから高周波発振を起こしていると見当つく。

大きい音出して歪んだ時とは違って、音全体が高周波の変調を起こしているから、2次歪か3次歪の様に特定の音が変になる。ソース元がどういう音がする録音かを覚えていたら、それが分かるが、そうでないと判別は難しいかと思われ。これが個性と思えば通用してしまうかも知れない...恐ろしか(^^;;

オシロがあれば一発で分かるが、無いと厳しい。

結構こういうヤバイ高周波変調アンプがヤフオクに出回っているから要注意である。

オシロの無い人が作った物は修理ベースで買うべきである。

聞く話によると、高周波を長い事聞いているとハゲるらしい(笑)本当かいなw

今回は線を一括りに纏めたのが原因である事が結果として分かって、シールド線も使っていないから、高インピーダンスになる3極、5極の間は発振しても不思議ではなくて。

結局、シールド線を使った時に起こる線容量と同じ程の330pfをグリッドにバイパスしてやると発振はピタリと止まった。

しかし、今度は幾分ハイ落ちして、真のHiFiと言えなかなと思って調べてみるも、そんな事なかった。試しに入り外しをして、どの位の差が出るかも試したが、特に聞いて変化は感じられなかった。

容量が大きくなると可聴周波数帯に迄掛かって来て、ハイ落ちしていると感じるようになるが、気付かないレベルで収まった。

本当はこんなバイパスCは入れたくなかったが、発振している様では、HiFiとも言えないし、エフェクターになってしまうから、致し方ない。

それで言うと、小川電子のアンプはシールド線を必要箇所には使って1本に纏めていたのであろう。

ACヒーター線も一本に纏めても、ハムの影響はない。

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P.Tのタップが裸だと危ないから、シリコーンで封しておいた。

1次側は下側に出ているのだけど、わざわざ狭い隙間に指を入れる事も無いだろうから其の儘としてある。

 

小さいシャーシの、これが鳴っている様な雰囲気がない出音で、中型のアンプが鳴っている様な、見た目に反して...という差がある質。

馬力があるから、そう感じるのかも知れない。

無理やり小型に収めたという事もあるけど(笑)

 

店に持って行こうか、自分所で使おうか迷い中(笑)

店に持って行くと中間マージンが入るから少し高くなっちゃうけど、欲しい方がいらっしゃれば連絡下さい。

特に値段については考えていないので、交渉にて。希望価格に沿う様になるべく。

 

ps:連続信号でステレオ2W RMS 4Ωでした(^^;;

ピークでステレオ4W