A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

低コストにオールチューブのプリメインアンプを作ってみる

低価格でプリメインアンプ(フォノEQ、コントロール、ファイナル一体型)を作って下さいという依頼。

上限が決まったので、上限一杯迄詰め込む事にする。

尚、トライオード15周年記念モデルよりも上限が低いが、オールチューブ構成というコスト大でありながら爆安という事が分かると思う(爆)利益度外視だから社員を雇ったメーカーには真似出来ない事と推測。

更に、円型のVUメーターが欲しいとの事だったから、生憎メーターとその回路が必要になると配分が、高品質重視には難しいから、質は普通、一般そこそこに置いといて、合理的に配分する事にする。

メーターは昔のストックが都合良く2個残っていた。仕入値は忘れた。

Westonだったかのヴィンテージは¥10k以上の仕入れだった記憶がある。

とにかく高い。

昔もそうだが、精度の良いメーターは高いのが当たり前。測定器であるから。

逆に精度の悪いメーターは単なる飾りである。精度不十分な測定器は、測定器とは言えないのと同じ。

そこで安価にレベルを見ようというのがマジックアイである。

応答速度が速い上、高インピーダンスであるから、電流変換のドライブは要さない。

f:id:A2laboratory:20210305172833j:image

フォノEQ、コントロール、終段ドライブ、メータードライブは全て5670Wで終段を117L7/117M7で、パラレルプッシュプルAB1で構成し、整流部も117L7は含まれていて、この球数で全て要り用になるから、都合が良く合理的であり、全段真空管構成で成り立つ。

以前にパラシングルで作った時に2W程得られていたから、それをppにするから、5Wは得られるのではないかと推測。

今回は絶縁トランスを使い、ヒーターのみダイレクト点火にするからトランスのコストも下げられた方と思うが、2個要しているから、トータルは結局変わりないかな。

大きさ的には、かなり小さく抑えられる方だと思われ。ただ安い分、絶縁トランスのリーケージフラックスが結構大きく、ハムを引くから、アンプの近くにレコードプレーヤーを置くとハムが大きくなる。特に上乗せ、左置きは良くない。

アンプの左端へ電源トランスは置く予定だから、プレーヤーはアンプ右隣に置くか、少し離した位置に置く事を推奨。

 

シャーシを2つにしてパワー部とを別にする案もあったが、折り合いが悪いから、一体で仕上げる。

 

ps:シャーシ横板が、どうやら亜鉛メッキかの鉄板らしい。

漏れ磁束が少しは外部へ漏れるのが防げるかも知れない。

f:id:A2laboratory:20210307141915j:image

とりあえず、117L7が少々癖持ちなのは前々から知っているから、バラックで実験をしておく。
f:id:A2laboratory:20210307141911j:image

gmの球で、それをパラにする訳だから、発振し易くなるのは百も承知。

案の定50kc辺りで発振を起こした。

この儘、テープの録音ヘッドへ入力して、信号を周波数変換管でミックスすれば、磁気テープにHiFiに録音が可能であろう。

50kcバイアスだと、25kc迄の信号が吹き込めるはずである。

これが交流バイアス方式磁気録音の原型と言える。

しかしながら、今回はAFアンプだから、発振は欲しくないのでカットする。

カットと言っても、聞こえないレベルだから、波形上から消える事を確認するという作業である。

高周波を聞いているとハゲるらしい(笑)ホントかいなw

SGはB+直結だから、抵抗でドロップしてデカップリングを入れてみたが発振に変化はなかった。

p-p間に200pfのCを挟んでもみたが少し小さくなるだけで、止まらないから、デカップリングにする事で発振は止んだ。

容量は小さいから、可聴周波数帯には影響ない。

片ch分で消費電力は45Wだから、ステレオにすると90Wの計算になる。

出力は8Ω 4.5W実測で、これ以上はすぐにクリップした。AB1の範囲内のフルスイングである。

 

さて、シャーシを加工する。