A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2020/03/19 発振の原因を探り解決す

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昨日の続き。

Trebleを最低に絞ってGainを最大にした時に発振が始まる。

3か4段目は、超低周波発振、モーターボーディングが起きている。

ps:終段にも回り込んでいる

4から6段目は、ブーンとこれまた別の低周波発振を起こしている。

 

モーターボーディングは正帰還発振で、これは3段以上のアンプで簡単に起きる症状である。

カップリングが大きかったり、10c/s以下をカットしてれば大抵収まるが、安定が悪いという意味合いにもなる。

マッキンのオリジナルでは、0.05μFのカップリングに対して1MΩのリークであるが、リードの長さ欲しさに0.33μFや0.39μFに1MΩを使ったのも問題であるが、終段のゲインを最大にしなければ、モーターボーディングも起きないから、終段を余っていたトロピカルフィッシュの0.012μFに変更し、4段目のカソードフォロアにデカップリングに100μFを抱かせる事でモーターボーディングは一件落着。
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次にTCの最低にした時の発振は、独特の発振で、検討がつかないから、色々触ってみる。

そうすると、変化のある配線が見つかった。
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Gainの一端に繋がっている、Treble Comp. であるが、この渡り線を触ると発振周波数に変化がある。
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早い話が銅線はL成分があるから、どうやらグランド線に並行させたらハム対策には良いだろうと思っていたが、フィルタのCとで、LC発振で、その距離で発振周波数が決まる事が判明。

グランド線から引き離すと発振は止まった。
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オシロスコープにて確認した時のもの。f:id:A2laboratory:20200319104947j:image

流れ図はこの様である。
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モーターボーディングの発振はゲインポットも関係していたから、終段にも回り込んで、Bが大きく揺らされたのが原因であろう。

Bに大きいデカップリングを入れても、超低周域はカットし難いから、他を考えないとならない。

Bのデカップリングが小さ過ぎる場合にも起きるが、まず20μFも入っていれば別に対策しないと大きくしても止まらない。

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TrebleCompとの発振を考えると、5段目の出力インピーダンスが非常に高い事から、線を長く引っ張る事はあまり宜しくないから、本当はもっと近くに配置すべきであった。

もしくは、線容量小さいシールド線を使った方が良いという事になる。

普通一般であれば、シールド線を引回すであろうから、こういう発振は珍しい部類になる事と思われ。

シールド線を使わない配線方の場合には、配置も流れも考えないと上手くない。

ps:そういえば、マランツの総合アンプで、フロントパネルへ行く線を別のアースした線を上から巻いてシールドしているのがあったっけ。

編み込みシールドよりも線容量が少なくて済むかな?それともコスト的な意味合いかな?

 

そもそも、そんな最低だの最大だの、究極な使い方をする事は無いと思うが、安定性の良いHiFiアンプを目指す場合には、色々な想定も考えて、万全を期す方が良いには越した事はない。

 

今回は聞こえる範囲と聞こえない範囲の発振が混ざっていたが、聞こえるタイプであれば、変だと気付くが、聞こえない類は超低域か高周波のどちらかで、モーターボーディングは聞こえず、高忠実度のパワーアンプであれば、ウーファーがユラユラと揺らいで分かるが、低域の再現性が劣る。(歪む)

高周波発振は20kcを越えれば全く気付かないが、高周波バイアスが変に掛かる事になるから、ハーモニックディストーション(歪み)とは別に、変調が掛かるから、ソースの音源には無かった様な音が聞こえたり、弦楽器、ストリングスが違う音になって出力される事になる。

こういうアンプは、高忠実度アンプとは言えず、HiFiとも言えない。エフェクターである。

知らない人からすれば、面白い音のするアンプと思うかも知れないし、個性と思うかも知れない。

別段それでも良いのだが、私自身が求めているのは、眞のHigh-Fiderity高忠実度増幅器でありますが、毎度々がお勉強であります。

かなり上杉先生に影響されている事も確かであります(笑)

 

 

高忠実度アンプ....マニアーの方からすれば、モニタ音色で面白くないと思う事でしょう。

良いものが溢れていた時代は......

変な物が多くなり過ぎると“普通”かそれ以上が売れなくなります....良さを知る迄は....