A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ATO 4台目

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4台目は一番解体した感が強くあったが、機械は電池による腐食もなく、ただコイルの線を止める電極ネジが欠品しているだけで、状態が良い様に見えた。

コイルもオリジナルで、断線していない。

DCR3.0kΩ出ている。
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通電してみると其の儘では動作しなかったが、接点の清掃をしてやると動く様になった。

然し乍ら、電圧が低いと振りが弱く、接触抵抗が大きいらしい。

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分解し、観察すると、台座と振り子との接触を良くする為に結んであるはずの線が欠品している。

これでは2つの揺れる輪っかだけで導通する事になるから、接触がいまいち不十分である。

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振りの妨げになってはならないし、且つ振りで折れても宜しくない。

銅線をバネにしてショートさせる。

動いても巻きバネがクッションになって、保持部分は動かない様にすればよろしい。
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これで良くなったかと思ったが、次なる問題生じる。

小さい振りの時からスタートしない。

これは組み付けると動きが見え難いから分かり難かったが、金の接触子の部分をハンダで止めてあったのである。

そうなると、ハンダの分だけ、片側が重くなる。

従って、本当は接触子の方が軽くて、重いガイド側が倒れ易くなっていないとならないが、丁度バランスしてしまっていた。

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左が正常時。切り欠きのある方が軽くなるのは言うまでもない。

しかし、ハンダが足された場合は、そのバランスは崩れる。

だから一方に錘代わりのハンダを盛って常に右へ傾く様にした。

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fig2の様な構造で、振り子の中に自由運動をする状態の接触子が入っている。(シーソースイッチとここでの名称にしておく)

固定端子がその内側へ2本出ていて、右はOff用のボス、左が電極ボスである。

振り子が揺れ出すと、この接触子の台座は、フラフラと振り子の動きに合わせて動き、接触子が電極ボスへ触った時が引き込みになる。

従って、振り子が左へ向いた時に、接触子の台座は右側へ傾げて、其の儘ONになって振り子のマグネットを吸い込み、ある程度右側へ行くと、接触子の台座は左側へと倒れる。

そうして、振り子が戻る時にはOffに、また引き込みでOnになるのを繰り返し保持する。

振り子の中にもう1つの小さな振り子がある様なもので、これがかなり重要である。

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それでも時々止まってしまって、オシロで確認すると、接触率が悪い。かなりジャリジャリしている事が分かった。

その後、止まる迄見続けて分かった事は、止まる時には殆どの接触が無くなり、それが続く事で引き寄せられなくなり止まるに至る。

完全に断じてしまう訳ではないが、半減でかなり振り幅は小さくなる。

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あまりやりたくないが、4000番のペーパーでシーソースイッチ接触子の双方軽く磨いてみた。

接触率は向上していてかなり良い。

…のも束の間だった。

暫くするとジャリつきが再発した。止まる事はないが、接触子以外の接触部分が悪い可能性が高いから、何処が原因なのか探る。

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シーソースイッチは振り子に付いたバネ板(金の板が接触する)によって接触率を上げていると思うが、これが離れるとどうなるのか実験。
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紙が挟まった事で、シーソースイッチ自体の動きも劣悪になった可能性は十分にあるが、接触が悪化している。

シーソースイッチのホゾ穴を導通とするには、不完全だから、ホゾに接触子を設け、接触部分を金にする事で接触率を上げている。

ただ、バネは甘くしか触っていなかったから、Rを付けて接触が良くなる様にある程度のバネが効いた具合でセット。

これで具合良くなった。

 

だがしかし、また時折止まる事があり、もしかしてニッケル水素電池がヘタレかなと思って、動作させながら充電してみた。

電圧は上がらないが、電流だけは増加し、5Vタップで1.25A程流れた。

正規の充電器は2本シリースにしないと充電されないから、1本しか使わない機材は、充電に困る。寄せ集めにしても、使用具合のアンバランスも生じるだろうし。多分。

でもって2017年に買ったニッ水電池だから、疲れている可能性もある。

まぁそれは置いといて、充電時にどの位電流が流れているのか分からないが、6時間か8時間掛かり、終了している時は結構温まっているから、そういう充電の仕方でも良いのかなとは思っていたのだけど、500mAで数時間経過したら、電源電流は500mAで同じだったが、電圧だけが1V程々に上がっていたから、充電されると電流が減ると思われる。温まってはいなかった。

そんなであるから、上限電圧を定めておいて、電流を絞って電圧が上がってくるのを待てば、自動終了になるのではないかな。

多分そうやって充電器は検知しているのではないかと推測。

 

元気良く振り子が振れ続ける様になった。

電源を繋いだ時から元気にはなっていたが、切り離しても持続していた。

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指針はアルミで、周りをカールさせて強度を持たせている。

普通一般には、焼入り鋼が多い。これは指針を指でグルグル回された時の強度のためである。

しかし、ATOの場合は歯車を振り子が押し進めるだけの構造であるし、重いトルクの掛かる歯車もない。

アルミの指針であっても、拉る事なく軽く回せる。

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様子見。

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掛けておく面がもう無いから、手放さないと時計屋の倉庫になってしまう(^ω^;;)

積み上げておくスタイル(笑)