組み立て、通電試験をした。
Ebb123出ているが、Ep55であった。大凡20mA前後流れている事になる。
定格は50mA程だから、半分であるが、管温度は結構高く部品温度確認をしている時に球に触って火傷した。
赤く薄ら膨らみ、ヒリヒリ痛くなって来た頃である。
トランスも多少温まって、球の横にあるから熱される事もあるが、細いのを密に多量に巻いているから放熱が上手くなくなるのは言うまでも無いが、動作異常を起こさない限りは切れないであろう。
いつも以上に段数を重ねてプラスもマイナスもB平滑をしているからハムは無いに等しい。
しかしながら今度はAC自体のノイズが問題になるレベルで大きい。
コンセントへノイズを撒き散らす物が挿さっているだけで音が悪くなる。
フィルタにCは入れたが、それでもスイッチングノイズやら、静かにはならない。根元をどうにかせねばならない。気になり出せば。
ただ、次段の入力感度に対して1/15になるから、無響室に入れば良くわかるであろうが、普通であれば、ノイズを聴こうとしなければ大丈夫そうである。
音は、ケチらないで余裕をもって多く巻いたからか、分離が良く特性も聞いた感じでかなり良い質感。
細かい音が埋まらず、誤魔化されていない結構繊細な印象がする。
悪い仕上げのソースを聞くと、違和感を感じる。直球なモニタ気質。
600Ωの固定負荷を開放よりか付けていた方が良いかと思ったが、付けると暗い音になって、普通のアンプと一緒でつまらない音になったから外した。
開放だと発振するかとも思ったが安定していて問題なかった。
1発完成の様になったが、後で測定器に掛けて最終試験にする。
結果的にケチらず作った方が無駄に多くのコストが嵩まない可能性。
ケチろうと安上がりに作るのは結構難しくて、研究費が嵩む。結果的に仕上がった物自体は安上がりだが、全体コストはえらく高い。
数売れたら儲けが出てくるが、1台だけだと割りに合わない。手間も食う。
ならば初めからコストを掛けて良い物を作った方が高くつくが全体に最高。1発成功の可能性も高そうだ。
1台作るだけなら割りに合わないが、2台と作らないからこれ1台で赤字が少しで済むなら、その方が断然良か。
図面通りの流れで、右から入力、左出力。
スイッチドのサービスアウトレットは、終段用に設けたもので、swとリンクさせているから元来のパワーアンプらしいデザインで使える。
本機は、WE 6025-B(巷では25B)の回路エッセンスと、毎度の古典シーメンスの電源回路エッセンスをバランス良く得た構成である。
シーメンスは高周波なラジオからの回路構成が念頭であるが、電源の構成は効率的に良い方法が用いられている。こんなのは手抜きで良くないとバカにする人は多いが、どういった働きをしているか理解が出来ないという事を言っているのと同じで理解が乏しい素人だなと笑われるから黙っていた方が良い。WEは低周波増幅器の伝達効率を重視した信号応答速度の俊敏な構成になっている。B電源は多量に巻いたチョークがミソで、これで信号の流入を防いでいる。同時に小容量のコンデンサでもリプルが取れる。後期はシーメンスと同じく高周波的な信号ループの構成に切り替えている。
構成は今となっては好き好きであるが、WE繋ぎは発色が良くなる傾向がある。明るい。応答が良い。
短所、時定数にシビア。周波数特性が簡単にウネル。ナローになる。
シーメンス的な繋ぎは時定数が外れていても大々的に不自然さを感じ難い。曖昧に出来る。素人がいじり倒しても壊れ難い、ピントが外れ難い。
短所、アース線が信号とDCとが一緒になっているから取り回しがシビア。ハムやノイズが引き易い。小信号部分は特に。
信号はアースから浮かし、カソードに近く簡潔に済ます。アースはDCのみ。S/Nが良くなる上ハムも入らない。
バイアス印加用に100k以上で接続すればそれがグリッドリークになるからアース対信号はグリッドリークだけで繋がる事になる。
シャーシという概念が違う方向から伺える、変えられる。
トランスはより多く巻いておいた方が含みが増える。ギスギス感が減る。大らかにゆったりする。巻き過ぎるとハイが落ちる。
ここまで行き着くのに時間と実験を要する。
良いのが入っているからリピートでどう？とまた買込んだがヒビはやはり入っていた(^ω^;;)
ペイントロックはしたが、衝撃には弱そうだ。
触らないとは思うけど触らない様に…
