A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

3000H

3000H、修理預かり品。

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メッシュが白。珍しい様に思うが普通だったけな…(^ω^;;)忘れちゃったけど手入れしているのかな。

状態はすこぶる良さそうに見えるが、片ユニットの音が出ないという事。

確かめると確かに微かに鳴っている程度。鳴らないに等しく使い物にならない。

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ユニットはホットガンが入り用かと思ったが、簡単に外れてくれた。

ダイアフラムは調整してみたがダメだった…とあったから同業者(?)技術者(?)かと思ったけど、ダイアフラムは外れておらず、オリジナルを保っていた。

外側のマグネットを動かされたのかな。それは別に構わない。

少しづつ溶剤を塗っては放置して溶かして綺麗にダイアフラムを剥ったが、VCがセンターポールへ干渉していて抜けず少しずつ引き出した。

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アルミ腐食はそんなに進んでいないからダイアフラムはまだまだ使える。

VCもくっ付いているから健康状態は良い。

白い点は腐食でアルミが薄くなっている、抜けている部分である。

CDやLDも同様に蒸着アルミが腐食でこの様に腐って穴が開き読み込めなくなるのである。

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VCを確認。肉眼でもコイルがバラけているのが確認出来た。
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キズミで修正可能か、再製作か検討。

腕時計の歯車が作れる人なら、容易い作業だろうと思うが生憎、腕時計技師ではないから、何個か作って最良なのを選ぶしかない。

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2段で何巻きだったか、ノートを見ないと忘れたが、内外で撓んでいるから、修正が効くか分からないがやってみる。

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場所によっては3ターンかで外れている。

ニスが悪いという事ではないと思うが、中空コイルはボビンが無い分、ニスだけで繋がっているから難易度は非常に高いのは言うまでも無い。それに製造から半世紀(?)は経っていると思うから、褒めてやらないとならないかも分からない。

昨今の物は物持ちが良くなったが、2000年代初頭位の品物は3年持てば良いなんていう状態だった。保証期間切れすぐに働くタイマーが仕組んであるとしか思えない製品もあって有名だったが、今はそうでも無い様だ。

話がそれたが、これはオリジナルであるから、出来るだけオリジナルを尊重したい所。

尚引き出し線はハンダの熱で細くなって切れて、短くなってしまったから、これは継ぎ合わせで対応する。

集中力が重要だから、静かな時間を待って格闘する事にする。

電話、携帯は遮断するのでメールのみにして頂きたい。とにかく邪魔しないで頂きたい。

よろしく頼みます。