A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

RE604 シングル pt2

実際の所、どんな音がするのか聞いたが、5球スーパーよりもナローな雰囲気。

モコモコして宜しくない音がする。

高域が派手に鳴るフィールドS.Pだったら具合良くなるかなと思って試したが、やはりややモコモコしていた。

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回路を見ると、初段RES904の負荷抵抗が20kとかなり低い。

その為にRE604のグリッドリークが250kに出来るのだろうが交換する方向で。

ちなみにクランフィルムの回路図上では、RES904の負荷抵抗は500k。

固定バイアス-3VでRgは2.3M。

カップリングは5000pfでRE604のRgは1.1Mで固定バイアス-41Vである。

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初段を見ると既に200〜300mVのハムが出ていた。

カソードがあるからか、ヒーターを片側アースにしているが、バランスにした方が良いかも知れない。

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負荷抵抗、カップリング、グリッドリークを変更、ヒーターをバランスにしてみたが、ハムは変わらず大きい。

B+に200mVのリプルがあるから、これが影響していると考えるのが妥当か?

もう1段増やしてみる。

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マイナス側も平滑して100mVになった。

それと、アースがトランスのタップ出て直ぐにシャーシに落ちていて、これが基点に集まっていたから、ハムが収まらない原因か。

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こんな様に繋いであった。

グリッドリークと平滑Cが一緒になっていたり、あっち行ったり、こっち行ったりしていて、平滑のループを考えても色々な所を通り過ぎている。
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しかしながら、ハイ落ちしているのは相変わらずで、モコモコしている。

そこで、セルフバイアスをショートさせて使うのをやめて、-Cを印加してみて、変化があるのか試したが変化なし。

一番効果のあったのは、プレート側のwe繋ぎ(B+のデカップリング)をやめる事であった。

これをやめるとハイが上々に上がってきた。

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試しにAC点火にもしてみたが、僅かAC点火の方がハリのある力のある音がしているかも知れない。

DC点火の様なモヤモヤ感が僅か晴れている様にも感じるが、DC回路が無駄になって勿体ないから使うことにする。

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RE604の手順書を見つけた。

やはりこちらも同じ時定数になっているから、低域が幾分出易い球なのだろう。

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しかしながら実際やってみると、HiFiユニットを鳴らすには1000pfレベルにしないと低域が出過ぎでモコモコ感が払拭できない。

とにかくハイの特性が悪い。
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シャリっ気が欲しいから、高域特性の良いセラミックを挟むと、らしくなって来た。500pfであるが。

低域が出難い励磁型のユニットを鳴らすならば、5000pf入れても十分ドンドコ鳴るから、満足行くだろう。


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そういえばと思い出して、RES904のカソードが放置状態だったから620Ωから3kに変更。

1.9vのバイアスになった。

RES904のグリッドもリーク1Mでカップリングを入れていないと音が歪んで良くなかった。
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結構色々交換したり変えたり。
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2500pfでこんな具合。

綺麗に揃う様な効果的なポイントを発見したい次第。