A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Westernのトランス

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だいぶ前に不良品を譲ってもらったもので、3つ中、全ての端子で導通がなく、トランスなのか?コンデンサなのか?全く分からないという代物だった。

容量も出ないから、トランスの断線した物とは推測していたが、分解するのに一苦労で、コールタールは都合の良い事に、パリパリと割れてくれるが、缶の中に更には更に缶に入っていて、ここの中に予想通りトランスが入っていた。

トランスが見えてきたが、今度は横も一杯にコールタールが詰まっているから、これを地味にほじくり返して底を目指す。

やり始めて1ヶ月以上経つが、作業時間は毎日1時間程度、ちょっとやって手が痛くなったら、また明日という具合で進めたが、これに数日も掛かった計算になった。

ある程度迄行ったら、プラハンで全体を叩いてやるとガチガチの音が、次第に空気の入った音に変わって、更に掘り返すと外側の缶が抜けた。

その後は、内缶を叩いてトランスがガタガタし始めたら、また掘り返して抜いた。

傷は少なく綺麗に抜けたから、巻き直しの時に構造が分かるであろう。

結構太そうなのが巻いてある様に見えたから、電流がある程度流れる部分のチョークの様に見受けられる。

昔の鋳物のケースに入ったタイプは、どれもこの作り方をしていて、巻き直す迄の行程が大変で、やりたがらず、交換で済ませる場合が殆どであろうが、オリジナルを尊重する意味では、これはナンセンスなやり方。

オリジナルで揃っているから、価値があるとすれば、交換してしまえば、それは何ら価値の無い代物と同じになってしまうと言える。

安く音が出る様に仕上げたいならば、それで良いかも知れないが、価値ある品物であれば、高くても巻き直しという選択が良いのではなろうか。

 

まぁまぁ今回は、単品で譲ってもらったから、機器の一部でもないし、好きな様に巻いて使えるが、1つしか無いから、チョークかな。

位相反転用のでも良いし、プレートチョークでも良いかな。