幾度かの実験を繰り返し、47の力量を如何に損なわずに発揮させられるか、見えてきたから形にしてみるべく。
当初は12Fを整流管とし、全段直熱型としたい所だったが、初段の30を動作させ、尚且つ47を持て余す事なく、堂々と起立させるには、どうしても60mAは必要で、40mAでは、47も30も寝ボケてしまい、夢の中で音楽を聞いている様な、ボヤーっとした、締まりもなければ、低域も出ない、静かな時からの最初のアタックはある程度出ても次の音が倒れてしまい、ボケが始まる。
トランスが小さいと寝ボケた音しか出ないばかりか、球もグータラ仕事をしている様な雰囲気であった。
他に比べようが無ければ、これでも良いやと思うかも分からないが、余程iPhoneにヘッドホンを繋いで聞いていた方がマシと思うかも分からない。
そんなで、もう1段大きなトランスに変更して整流管は80BKにして、定格一杯ではあるが、47も寝てはいられない具合になった。
普通一般には、抵抗結合というのが今や普通であるが、これは球が豊かに動く、乃至動かせる環境でないと、非常にヤワな結合方法という事が分かった。
初段の30は電池管で、あまりガッツリ押せる球でもない。
対して47は、A1級動作であるから、A2区域迄も押せる程の力量が無くとも問題はないから、抵抗結合でも問題なく見受けられるが、抵抗結合の場合はEbbに対して、流れる電流分はドロップして、そこから±に振るわけであるから、電圧が下がるし、電流も減る。
定格一杯で、電源レギュレーションが良いとも言えない状態であるから、非常に貧弱。
そこで変圧器結合が出てくる訳で、この場合は巻き数は多いが、抵抗結合程にDCRは大きく無いから、電圧降下は少なく済む。
電流はある程度が流れるが、1サイクル半の信号が入るとトランスがもう半周を逆手電力によって補ってくれる。
要は、最大定格の良い状態で半分は球負担、もう半分はトランス負担というような具合になる。
従って抵抗結合で、例えば定格の半分半分で動かすよりかは、小さいパワーであっても変圧器結合の方が、次段を押す力はあるという事になる。
然し乍ら、今回の場合は低周波1:3を使う訳でもなく、大きいヘンリー数のチョークを入れる事でも同じ様な効果が得られるのではないかと試していた。
結果的には、幾らもしない抵抗1本よりかは数十倍、時に数千倍も値段のするチョークを入れた方が再生帯域が豊かで、47の最大出力近く迄ガンガン鳴らせた。それだけの価値があると感じる。
さて、シャーシを考える。
本当だったら12Fとでこんな具合かなと思っていたが...(^ω^;;)
計画変更。
角開けは地味に穴空けして、ツボサンでゴシゴシ。
目詰まりがなくて良いかな。ツボサン。長く使えるし。
電源トランスのケースが結構疲れていたから、化粧直しをしてやった。
リークも無いし、端子台も結構凝っていて、昔で言う、“一流品”かな。
シャーシは近年に、主に地下鉄で採用されているアイボリーと同じく。これにはかなり懐かしい思い出が(笑)
私らが作っていた1000系の操作盤は車掌が常時触るから、大分汚れているし、塗膜が剥げて鉄板の地肌が出ているのもある。
まぁまぁ、それだけ毎日使ってくれているっていう事なんだけれどもね(^^;;
内部配線やら非常ブレーキやら、再開閉スイッチやら、旋盤で削り出したり、ハンダしたり圧着したり、配線したり…10数年経っても壊れていないっていう事を考えると、良い物作ったなぁとしみじみ思う(笑)
再開閉スイッチは不良があって、テレビニュースになる程ヤベー状態になった事があったけど、人に危害を加えた訳でもない(営業車の丸の内線で扉が閉められなくなった)から、全車再点検で済んだけど(^^;;
まぁまぁ、そんなで緑9号からアイボリーになったのは結構衝撃があって、初めは違和感があったけど、実際に車両に組み込まれたのを見たら、こういうのもシックリ来るなと。
アンプシャーシもアイボリーっていうのはあまり無いかも分からないが、ドイツ ブラウンもやはりアイボリーな時があった。
黒の縮れもカッコイイのだけれども。
そんなで塗装後、キュッとさせた方が塗膜が丈夫になるかなとヒートガンで熱してみたが、これは結構良い効果か。
一見サラッとしているが、物と接触して時間が経つとペタペタくっ付くというのが経験あるが、それが薄いか。
乗せてみた。やはり数日置いた様な具合に安定に定着している様子。
ネジを締めて割れもしなかった。
焼き付け用でもないが、ある程度焼くと具合良いのかな。単に定着が早く済んだというだけかな。分からないが(^^;;