A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

クロスオーバーコイル巻く

先日実験したヘンリー数を元に巻いてみる。

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針金鉄芯の数を変えて調整する方式にする。f:id:A2laboratory:20211014184354j:image

6500Tも巻いたが880mHしかない。1.88Hには遠いが、鉄芯コアの巻き数とは合わないのは致し方ない。
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試験。
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針金は2本で十分中高域が落ちる。

然し乍ら、よく聞いてみると、低域が歪みっぽい。

巻き過ぎたか、DCRが大き過ぎるかの問題がありそうである。

中空コアで良いのはMid/Highではないかと推測。

低域は中空コアではあまり宜しくなさそうに感じた。

多く巻いた側でMidを戻す役目であったが、これも巻き過ぎの様でDCRで減衰しきってしまうか、効果無し。

不作であったが、良い実験に。

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ガラ箱を探したらDS-251mk2のと思われるコア入りのチョークが出てきた。

ペアで無いから実験程度に。
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ハイの部分に入っていたと思われるチョークは20ゲージが巻いてあったが、これを28ゲージで同じターン数巻いてみると同じ容量になった。

線の細い太いで容量は変わらないらしい。

ウーファーに入っていたと思われる大きい2.85mHと同じになるまで巻く事ができた。
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前巻いたのは多く巻いたから、今度はタップを幾つも出して、良い具合を切り替えて試聴出来る様にした。

空芯の場合

0.03/.04/.07/.16/.28/.62/1.18mH

SSコアの場合

0.01/.03/.08/.21/.44/1.32/3.8mH

 

巻き数が少なく、100T以下(50Tと70T)の場合はコアが無い方が容量が大きく出た。

これは鉄損による容量低下なのであろうか。定かでない。

この事が定かの場合は、巻き数の少ないMid、Highはコア無しの空芯の方が巻き数が少なく容量が得られて良いという事になる。

逆に大きい容量を得たいウーファー側はコア入りの物の方が巻き数が少なく容量が得られて良いという事になりそうである。

特にDCRが気になるウーファー側は巻き数が少ない方が良いであろう。

 

試聴すると、DS-251のチョークは固定という事もあるが、空芯500Tに近い印象。少し明るい音かも知れない。

手作りのチョーク内へ針金を入れると、減衰量が可変できる。

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ウェスタンの線の切れ端を巻いてみた。

絹巻きであるし、ある程度太いから、何層にも巻くのに苦労しない。

40T程であるから、コアが無いと減衰が殆どない。

3つ合わせて120T程になるが、やはり明る過ぎる。

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テスラのパーマと比べると面白い程に差があって、テスラのパーマはネットワーク無しに直に入れて具合良く鳴るが、ローラは中高域が持ち上がっていて、其の儘では鋭く耳障りな程のギャンつく音がする。

所謂古いダイナミックの音がする。

音圧は、ギャンつくレベルが高いから必然的に高く出るが、特性と音圧の和で考えると、音圧を選ぶか、特性で選ぶかの違いである。

どちらも和は等しく、一定を超える事はないから、音圧を抑えて特性を重視すれば、能率の悪いフルレンジであるし、音圧を優先すれば、帯域の狭い高能率の物と言える。

 

昔のラジオも電蓄も、決まって減衰のみのハイコントロールが付いていたから、これをVRの中間で具合良い程度に収める為に、スピーカーを山の特性で作って、アンプセットで落として使えば、ブーストは実際にはされてはいないが、出ないソースが入った時には絞るのを止めてやれば、持ち上がった様にも聞こえる訳で、もしくは、特製の悪いトランスを使った場合でも、それなりにフルレンジとして使える様にと考えての設計の可能性も考えられる。

とにかく近代の揃った綺麗な周波数特製が当時のスピーカーを製造していた時に出ていたワケがなく、周りのセットに合わせて具合良く作っていたと考えるのが妥当である。

よってストレートに鳴らして具合良いセットというのは、当時のセットで揃っている必要があるとも言える。

逆に言えば、近代のスピーカーを、古典ラジオに繋いでもダイナミックで具合良く鳴っていた様には再現できないという事になる。

考え様であるが、このユニットは専用にアンプを作るか、ネットワークで近代アンプに対応させるかの2択の様に思う。