A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

PHILCO ペーパーコンデンサ

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交換した絶縁不良気味ペーパーコンを分解してみる。

フィルコのは多分初めて。
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潰れに対して強化しているのか、焼けに強くしているのか、空間が多かった。

Victorのペーパーコンは、コールタールらしく物が充填して固くしてあった。

真逆なタイプである。
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固定の樹脂(?)を見るに、寄っているから、空間の多い部分が潰れる分には良いが、寄っている部分の潰れに対してはかなり弱そう。
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メタリコン...ではなさそうである。
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巻き方が近代の物と同じである。

端へ電極を寄せて僅か外へ出して、逆側は余白を取って耐圧を配慮している。

トロピカルフィッシュも同じ作りで、国産のポリエステルフィルムもやはり同じである。

1940年にこの作り方をやっていたとは。

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箔が40μm

絶縁紙が15μm(2枚重ね4枚巻き)

幅14mm 長さ300mm 0.01μF

丸くは巻いているが、国産の巻き始めにしか電極リードを出してるタイプの様な作りではないから、L成分は少ない。

潰したとしてもやはりL成分は少ないが、古い国産のペーパーコン(一部からのリード出しタイプ)はLが多い。

 

大きさ的には大きいが、無垢の箔を使っているから、インピーダンスは非常に小さい。

ポリエステル蒸着よりも特性は良いが、絶縁的には紙であるから湿気に弱い。

これでポリエステルフィルムにすれば湿気にも強い。

しかしコストが掛かる事はメーカーはしない(^^;;