A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

SQ-5Bb 完

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交換したケミカル。

漏れはまだ浅いが、ケミカル=化学的な電解コンデンサであるから、この化学変化が異常を起こせば、最悪パンク也を起こすが、まだ其れに迄は至ってもおらず、温まりもしないが、ゴムのパッキンは完全に封が出来るかと言えば、不完全であって、風化が始まれば空気の侵入がある。

空気が入るという事は、湿気も入る訳で、電解液が乾いて絶縁低下を起こしたり、容量が無くなったりもする。

どちらにしても、異常化学反応を起こし、手榴弾の様にアルミ筒が爆裂しない様に、防爆弁という物が設けてあり、一定の蒸気なり圧力が加わると、これが破れて外へ放出する。

破裂音と共に、凄まじい白煙を上げる。これは経験があれば分かるかと思うが、500V40μFのブロックケミコンがパンクすると6畳間一杯に前が見えなくなる程の白煙で、ケミカル自体は非常に高温になっていて触るのは危険である。

飛び出した電解液が蒸気になる程であるから、浴びると危険極まりない。

容量は定格で、-20%+70%であるから、結構開きのある案外不安定な部品である事も確かである。

メーカー推奨寿命は10年である。

 

所謂フィルムコンデンサの類は、モールドで封をしてあるから、完全に封がされている様にも見受けられるが、これも完全ではなく、リードの金属部分、或いはモールドが湿気を通して絶縁不良になる事はある。

熱によって、絶縁フィルムが劣化乃至、膨張、縮小によって破れる事もある。

何にでも寿命がある様に、永久的な物はなく、有限であるが、その耐久力は部品其々で異なる。

 

ケミコン自体の生産が不安定であった初期の頃は、安定性と確実性を求められる現場向けの機材では使われておらず、MP、メタライズド ポリエステル(フィルムコン)やオイルコンが用いられている。

大凡、金属のケースに碍子の端子で、オイル也を入れた後は、ハンダで封をしてある。

このハンダの封の完全ではなく、やはり数十年もすると揮発して絶縁が著しく低下し、レアショートを起こす。

オイルコンの場合、我國では、油入紙蓄電器と書いてある巨大な物が、1958年辺り迄アンプに使われているのを見ているが、どちらにしても業務用である。

 

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上がり。

部分的に交換されているから、そこは触っていない。

電圧は見ている。
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RIAA

低域のブーストが怪しかったのは解消、モーターボーディングも止まっている。
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左右のバランス崩れは大きく現れていない。

但し、小音量時に2連VRの特性上、アンバランスになり易いから、バランサで調整される様にする必要があるから、ある程度入力を絞って、上向きで使える様にプリセットをした方が良さそうである。

メーターは飾りであるが、最大出力でフルスイングする設計らしいから、あまり動かない。

ピークレベルでもなく、メーターアンプも入っていないから、鈍感であるが、程々信号が来ているかの確認は出来る。

 

これにて修繕完