A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

junk radio

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ドイツ製らしきスピーカーの付いた高1スーパーを入手。

STとGTで構成してあると思ったら、高周波にMTが挿さっていた。

給料を貰ったら少しづつ部品を集めて作っていたのかも分からない。

トンコン付きと少し凝っている。

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キャビネットはかなりボロであるが、スピーカーを入れたり、オブジェやイミテーションで活用する人が少ないから、安く放出すると売れるから廃棄にしなくて済む。

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通電確認をしたとの事で、パイロットは点いたが音は出なかったそうだ。

VCの端子が破損し断じているから出ないのも無理ない。
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センターダンパーのタイプだ。

ドイツ製らしい顔はしているが、ちょっと工作が粗い。ドイツ製かな。怪しい。

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ナショナルの8μFのオイルコンが時代感。

ケミカルはチューブラが入っているが、フォーミングしつつ通電してみる。
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フィールドとでダブルチョークっていう。

更にスピーカーには、ハムバッキングが巻いてあるから、結構凝っている。

OPTの1次が断線していて外してあったが、B側が切れているだけだったから、7k-2k間で使える。
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ヒューズホルダごと破損していて、どうやって通電確認をしたのか?不思議に思ったが、見たら、シャーシに触っていた。

トランスレスみたいだなまるで(^^;;
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6SQ7のカップリングが漏れていて15V出ていたから交換。

音が大きくなり歪みも多少改善。

ただ音は出るが、ガタガタ、ビリビリとコーン紙が鳴っていて要調整修繕。

バラすとコーン紙は糊付けされておらず、金枠で固定するらしい。凄い設計だなぁ。

厚紙のスペーサーが2枚入っていた。
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ギャップ内に錆が出てガサガサするから、全バラ。

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う〜ん(ーー;)

こりゃドイツ製じゃないな。和製コピーだ。

何かの雑誌をボビンに使った模様。
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ハムバッキングは緑の絹巻き線である。

よく出来ているが、本家はもっと丈夫かも。
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コーンはプレスなのか、後からエッジを継ぎ足したのか、面白い触感。

エッジの方はプワプワしていて、かなり軟い。

内側はパリッとしていて少し硬い。

日本ハーク同様、貼り合わせコーンである。f:id:A2laboratory:20210719161703j:image

エッジは初っ端から切り込みがある様子。

鎧戸みたいに重なる様になっている。

接着はされていない。
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切れたダンパーの補修にセルロイドを使ったかな?

フィルムの端の様な硬さ。

これが硬くなるタイプのボンドで接着してあるもので、剥がれているから、これが鳴く原因であろう。

剥がして弾性のある物で継ぐ。f:id:A2laboratory:20210719161657j:image

やはりドイツ製じゃないのは確定の様だ。

アルミのワッシャーに鉄のワッシャー、色々な物を寄せ集めた感が半端ない。

戦後の闇市で売っていたかな?(笑)
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低域が入るとバタバタとコーンが振れ、制動が効かないか、ヨークの底に当たってガガッと凄い音がする。

密閉の箱にでも入れないと大きい音では鳴らせそうにない。

ダンピングがかなり良いが、ハイも結構ギャンつき凄い派手な音がする。

ハイのトーンコントロールは効くが、固定のローパスで補おうという細工がしてあり、大口径のユニットが入っている様な音を出したかったと思われるが、このユニットではそこまでの低域は期待が出来なさそうだが、ラジオを聞いた感じは、そこそこの大きさのユニットの様な雰囲気はある。

ただ6V6を6SQ7で、しかもRpは250kであるから大分早い段階で歪みが酷く、これならば6F6かUZ-42の方がまだ良い音である。

 

6V6はシングルで使うには取っ付き易いかも知れないが、案外設計を困らせる球で、12AX7ではフルスイングさせられない。

カソードフォロアでも電流を流さない場合は厳しい。

そんなで、かなり歪んだ音を聞いている可能性が高いと考えられる。

昔の設計では6V6のドライブは6SJ7をチョイスしている物もある。

A1動作でありながら、A2レベルのドライブパワーが無いと歪みのない良い音はしない。