A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

断線した ALTEC 802D を修理

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唐突に秋葉原の部品屋から、“今日は来るのー?”と連絡が。

店に伺い、手渡された綺麗に包まれた小包。

この持ち主は、以前に2A3のアンプを修理した事のある常連さんだそうで、危ない客じゃないから大丈夫とお墨付きをもらって。

状態は、”アルテックのドライバから音が出ないから、これも見てくれないか”と持ち込んだそう。

手一杯で細いのは面倒だから、やってよ( ̄ー ̄)という流れで私の所へ(笑)

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調べてみるとやはりVC断線らしい。

引込み線かが腐って断線したと思うから、ダイアフラム周りの修理だろう。

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分解する。

大変に綺麗。少しサビが出ているが、ヒゲは生えていない様子。
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やはり腐食している。

それも、折り返し部分のヨークギャップ部分であるから、これは修繕が難しいぞ。

失敗すると、ヨークに干渉して音がビビる。

ただアメリカ製だから、ギャップは広め。

ソビエトやドイツのユニットは極狭ギャップだから、ちょっとのボビンの歪みも干渉してダメになるし、多分、コイルを折り返すのは相当キツイ事と思われ。
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ダイアフラム自体は、まだ腐食が進んでいないから状態は良い。

ボイスコイルを1周解して継ぐ。

VCは板状で、かなりの積層だ。また、折り返した時に薄く繋げられる利点がある。
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綺麗に平坦に、コブを作らぬ様に折り返し…
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引き込み部の部分の方がヨークギャップよりも内側にあるから、ここへハンダする事にした。長く線を引き回すよりか、最短の方が今回は良い。というのも、VCを1週は解いたわけである。

リアランスがあまり無いから、接着剤でコイルをボビンに一番近く貼り付ける。

これにて完成。

 

youtu.be試験的にBGMで鳴らしていたアンプから枝分けした線を繋いでみた。

youtu.be

なにこの音圧(笑)凄過ぎてビックリ。

そして久しぶりの感動(笑)

今でも値が下がらない物って、やはり良い物なんだろうなぁ。

欲しい病気が出そうだけど、もう置けないから買えないなぁ。

まぁ買えるだけのお金が無いけどねwww(爆)

それは置いといて良い物に触れるだけでも有り難や。

良い物に触れていると、それだけ良い物とはなんなのか経験になるから勉強になりますわぁ(*'ω'*)

 

交換用ダイアフラムは売っているけど、オリジナルも修理すればまだまだ使える。

アルミのダイアフラムが腐らなければ、紙のコーン紙よりか経年変化は少ないであろうから、交換せず使えるのならば、修繕して使う方が良いであろうと考える。