A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

美しいラジオ。 日本ハーク 7’

不要な人にとっては貰ってくれるだけ有難く思うのかも分からないが、タダ同然で譲ってもらったラジオが凄いセットだった。

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キャビネットは木が割れてバラバラになりそうな具合だったが、シャーシを出してみたら、素晴らしく美しい出来栄えで、素人工作ではない事が伺える。

短波が入るのかと思ったが、LocalとDXらしい。

トーンコントロール迄付けていて、電蓄として使っていたかな。
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危ない事は重々承知でフォーミングしながら通電すると受信もするし良好。

ただかなり歪む。

低域はブーブーやって、カップリングとトーンコントロール部分のオイルが絶縁不良で相当リークがあって歪んでいる音っぽい。

平滑1段目の電解が結晶が出ていて、自然漏れを起こしたと見受けられる。

360Vが掛かってかなり熱が出るから、リークが多く危険。
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UZ-42のゲッタ裏が青く電子光りしていた。

初めて見た。

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昔は憧れだったハークが付いていて、これがまた綺麗で状態はまずまず良い方。

エッジはクシャっているが、シンナーで綺麗に剥がして貼り直ししたら戻りそう。

FC間を見ると109V出ていたから、72.6mA流れている。

定格60mAだから、リークで電流が増えているかな。
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危ないのを交換して、絶縁を見てダメなのは交換して。
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B+1段目は相当弱っていたらしく、交換したら400V出る様になった。

FC間はP.U時90Vで、60mA。ラジオ時58mAであった。

6ZDH3Aと76間のカップリングに入っていたペーパーの絶縁が2M以上あったから良いかなと、其の儘にしたが、先方に6V程出る様になって、76のカソードバイアスが12V出るから、交換してやった。これにて76カソードは9Vになった。

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回路を書き出した。

P.Uにした時に、アンテナコイルをショートさせてクロストークを防いでいる。

ナショナルのIFTが独特で、脚が6つ出ている。 Cat#1769とある。

Gが何処にも繋がっていない様だから、NCピンらしく、無表記の中央に出た2つがLocalとDXが選べるG端子の様子。

それと、6Z-DH3を使っているのに、検波を1N60で行なっていて面白い構成。ゲルマの方が感度が良いかな。

それとも2極部のエミッションが不良の球なのかな?

ルーズベースで電子焼けも結構した球だけども、3極部は問題無さそうだから、使えると思うのだけれども。

 

ハークのS.Pは、エッジがカチカチでダンピングが悪い。

低域が固まっていて豊かには鳴り難いが、ワイドレンジ。

エッジ剥がれでビビりが出ていたのは修復した。

大きいキャビに入れてゆったり鳴らすと良い具合かな。

ダイナミックらしい、中高音がギャンつく様な雰囲気は薄くて、結構全体バランスが良さそうだ。