ヒースキットのプリアンプ続編
一応音は出ているが、各所の電圧を見てみると、終段のカソードフォロアの電圧が規定以下で、通電から暫くすると数十mV単位で次第に電圧が上がり、数十分後には、今度は規定以上になるという具合。
基板のパターン腐食はあるが、切れていたら音は出ないと思われる。
聞いた感じは別段、変には聞こえないが、少し歪みっぽいかも知れない。ただ聞いているソースによって、気になるかならないか、そんな具合。
結構マトモに動作していない方が、良い音に聞こえたりなんて話は良くある。
ハンダを温めてみると、リードだと思った部分はハンダ角で、リードが殆どハンダが乗っていない箇所があり、何かの衝撃で接続したりしなかったり、発振しても不思議でなかった。
腐食のパターンは、確認したが切れていなかった。
全てハンダをやり直し、通電確認するも、やはり電圧が徐々に上がる症状は変わらず。
ショートを確認すると、ペーパーコンは問題無かったが、ディスクセラミックがショートモードで壊れていた。
カップリングにセラミックを使うという、何とも高周波的な....
オーディオには使うとしたら、デカップリングであろうが、ジャキジャキした音を求めるならば、セラミックを使うかなぁ....使わないけどなぁ...(^ω^;;)
高周波特性は良いが、低域の特性が悪く、通し難いから、低域を無理にブーストしたのを抑えるのには使えるかなぁ...歪むんじゃないかなぁ...。
これの交換で良くなるかと思ったが、それでもダメ。
もっと調べると、グリッドにバイアスが掛かっていない?
なるほど。グリッドバイアスの1Mが浮いていた。ハンダが乗っている様でリードに乗っていないという厄介なパターン。
これで規定の電圧が掛かる様になった。
左右でまぁまぁに揃っている。
揺さぶって他に外れがないか見ると、バリバリと音が途切れる。
ステレオ、両chが同時に起きるから、何処かのショートかと思ったが、B電圧が音が出なくなると上昇するという症状だから、B+浮きらしい。
当たり。
ハンダしっかり乗っけて下さい(^^;;
マイカモールドとあるけど、社名?それとも絶縁にマイカ使っているのかな?
分からないけど、フォーミングしてやって、まだ現役で使えるから其の儘に。
Pyramid。
パリの地下鉄、ピンクの7号沿線の駅と同じ。
発音的にはピリャミドだった記憶(笑)
降りた記憶がない...かな?ガラスのピラミッドがあるのはルーブルかな?まぁいいや。
85℃品はこの時代でも表記していたとは。
再度振って叩いて。OK問題なし。
ハムも無くて状態良い。
ただ、ラウドネスが面白い回路で、Maxに行くにつれて、ゲインが絞られて、最終的には完全に絞っちゃうという。Levelも手前に入っていて、ラウドネスの使い方がイマイチ不明。
専らラウドネス効果があるのか分からないけども、回路図を見比べても、誤配線は無いから合ってる。
兎に角面白い構成。OFFの位置で一番音が大きくストレートに近くなる。
反時計回りにMax側に低域が残る様な感じに、ハイとゲインが落ちて行き、Maxの位置で無限大。
音も小さくなるから、レベルを上げても、モコモコでハイカットが効き過ぎ。
本来であれば、中高域だけが下がってドンシャリになるのがラウドネスとしての在り方と思うが、低域のブーストが大抵効くアンプが多い。
最も、トーンがあるから、ラウドネスなるモノは不要であろう。
当時の流行を突っ込んだか、高級イメージ用に盛り込んだ様な印象である。
化粧が引っ掛けて捲れていたから修繕しておく。曲げ直しただけ。
とりあえず動作的にはOK。
組み立てて動作試験をして売りに出してみるとする。