A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

Heathkit SP-1

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ちょっと変わった依頼品。

修理して売りに出して欲しいという御依頼。

1950年代後期と思われし、ヒースキットのフォノ/テープEQ付コントロールアンプ。f:id:A2laboratory:20210108200738j:image

テレビや無線機で使われた複合CR素子が使ってあるが、内部構成はRIAAデコード用だったり、音色補正用、ラウドネス用の時定数である。

キット品である事を考えると、間違えなく配線が出来るメリットがあるか。

絶縁不良になった場合の修理はディスクリートで組み直しが必要になる手間が後々掛かるが、後々の事まで考えてはいないかも知れない。
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電源は旧型のシリコン(?)ダイオードで倍電圧にしてある。

全体電流は数十mAも流れないか、かなり小さいケミカルで構成してある。

ヒーターはAC点火でハムバランサが付けてあり、バイアスが17V印加されている。

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試しにアンプに繋いでみると、ブォーン、ピューゥと楽器かなぁというレベルに発振していた。

トーンやラウドネス、どれを触っても、音階の様にピーポープーブーと、まるで低周波発振器。

Levelを上げると今度は複音になって、完全に楽器。

球に手を近づけてもやはり周波数が変わる。

こんなで、ガチャガチャSWをやったり、球を叩いてみたり、色々やったら発振がピタッと止んでしまって。

入力端子にバイアスが漏れていない事を確認して信号を入れてみると鳴るが音が小さい。

基板をポンポン叩いてみると、ガリガリと音が大きくなった。

どうやらハンダ不良か。

バラして基板裏を見ると、まぁキット品らしい出来栄え。

リードは長いし、ショートした事があるのか、シールド板には絶縁テープと嵩上げに厚紙が何枚か入れてあって、微調整していたみたい。なんだかホッコリ笑える(笑)

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説明書。あまり丁寧じゃない感。玄人向けかな。

コテを一度も握った事がない人には無理難題かも知れない。

 

さて、何故発振したか、色々と調べて改修しないとならんぞ。