A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

6SL7 ノイズ出る

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先日作った815AB2の続編。

特に不具合もなく動いていたのだが、不具合が発生した。

 

”近くにいるとハムが出る”

 

困った症状である。

球を触ってみて、一番ハムの大きくなる球が逝ってる事になるが…

なんとなく、なんとなく、これだろうなという勘で、調べる事もなく、原因はソビエトの6SL7内1本であった。

マイクロホニックはないが、大分ルーズベースになっていた。

ソビエトのロストルは独特で、熱するとプヨプヨ柔らかい感じがあり、粉になってダメになる感じが少ないが、粘度が強い印象もあり、色も黄白色で、薄鳶色の一番多い様式とも違う。

とりあえず、そんな不具合もすぐ対応できないと困るからストックは結構あるが、交換に持ってきた球もやはり同じ症状で、少しルーズベースである。

触るとソケットの絶縁との兼ね合い(?)なのか、ガラスを触るとハムは大きく、ソケットを触ると静かになる。

以前に6X5にて、ソケットから発煙するという問題が起きた事があった。

ソケット自体の絶縁が低下したらしく、モールドが抵抗となり、内部から一部が膨らみ、割れた所から内部を削ってみると、燃えて煤になっていた。

この事から、モールドの素材自体に、なにか導通を起こす様な、例えば鉄粉等の絶縁低下を起こす物が混ざった可能性がある。

普通一般的には、モールドは絶縁物のみの構成であるが、モールドの元は粉末で、これを金型へ押し込み、焼いて成形する。

その時の圧縮にもよるのであろうが、モールドにも、脆い場合があって、それを補う為に、硫黄やら何かの配合が微量にありそうである。

そう考えると、昔は幅広く鉛を入れていたから、もしかすると、鉛を混ぜている可能性もなくは無いのかなと推測。

偶然の攪拌具合で、鉛の量が多く絶縁抵抗が悪く燃えた…という可能性も考えられるのかも知れない。

またさらに2回目の交換でハムは静かになって、もう片方と同じ無音状態になったが、交換した球は僅かマイクロホニックがあって、叩くとポンポンと鳴るから、電極支えが緩い製造であろう可能性が高い。

JANのか国産のが結構な値段だけれども、そっちの方が安全かな。ダメになった時の事を考えると高いのがダメになるショックも結構大きいもので(; ^ω^)

どちらにせよ、短期の使用であるが、それまで数十年と寝ていて、今になって起こされ、出だしは元気が良かったが、張り切り過ぎて寝込むみたいな感じになったのかなと推測。

テスターに掛けてもReplaceは示さないし、ノイズテストにも引っかからない。

 

まさかとは思うけどハンダ腐食でノイズになっている可能性も考えられる。

ルーズベースで特に絶妙に外れている可能性は考えられるから、球の修理を試みてはみるが、恐らくガラス内部の電極に問題があるのではないかと推測。

 

ps:ハンダをやり直してみたが、変化なし。

カソードフォロアで使えば問題にならないと思われるから、使える場所を探してみる。

増幅率を求めないか、低インピーダンス、もしくはヒーターにバイアスを掛けて使うと静かになるかも知れない。

今回の使い方だと特殊使いで、ヒーターは815のCTを使ってもう一方のCTをアースするのが一番ノイズレスに仕上がっている。