A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/08/04

球屋廻りで見つけた、RCQの12AV6。

トランスレス ラジオで良く使われた球で、レスじゃないタイプは6AV6が良く使われた。

その昔は、6Z-DH3、6SQ5が同等。

Pd 0.5Wであり、Ip 1mA程で使うのが一般的であるが、これで出力段をドライブしようとするのは、ちょっと頼りなく、フルスイング出来ていない場合が多く、最大よりも随分と早い段階で歪んでいる回路は結構多い。

ラジオもその1つで、42をシングルで使った場合、4Wは出るが、押しが足りない為に1W位しか出ないのが現状。

だから、ちょっと高級になるが、1段増やしてカソードフォロアで出力を押してやると、歪が下がり、最大出力が得られるようになる。

送信管は特にフルスイングさせようとするとグリッドに電流が流れ始めて、インピーダンスがグッと下がるから、これに耐え得る様に設計してやった方が、トゥルー ハイファイなセットが期待出来る。

設計次第で、表現したい音は変わるという訳である。

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12AV6の歴史は、12AX7の僅か後に出来た球らしく、μは100で12AX7を丁度半分にして、2つのプレートを追加した形。

共通カソードに2つの信号整流用のプレートが入っているから、これを上手く使うと、AGC(オーディオ コンプレッサ)が作れる。

アンペックスかのコンプレッサが、ビートルズが使っていたとして人気が高いが、別段難しい物じゃなく、リモートカットオフ球の性質を上手く利用しているだけである。

バリアブルμ コンプレッサの場合、今簡単に手に入るリミッタ式と違って、信号其の物を無歪圧縮が出来るから、非常にクリーンに、其の儘っぽい質が期待出来る。

 

リミッタの場合は、圧縮回路が含んでいないと、波形の上がスパッと潰れるから、非常に歪んだ音になるが、数%ならその歪は、歪っぽく聞こえない。CDがそれ。

 

LPやSPのレコードのダイナミックが広く感じるのは、圧縮回路がバリミュー式だったり、アナログ的にオーバーシュートがあるからと考えられる。

逆に圧縮を解凍する回路も、リモートカットオフ球ならば可能である(笑)

 

さてさて。

このAV6は、今回はコントロールアンプに使おうか検討。

XA7でも良いけど、普通過ぎて面白さが乏しい。

あと良いAX7が少ない。

 

それとガラス球のミテクレだけで左右される人が多過ぎ(^^;;

メタル管の方が断然ノイズの観点からは有利だし、手間が掛かって高級だし、カーボンブラックの球の方が導電性に優れ、不要な電子の反射を抑えるとされて、これも手間食って高コストで高級。

トッププレートの方が発振し難い等、色々あるけど、利点の多い球程、嫌われる傾向。

昔は球が見えるスタイルはダサいとされて来たけど、今は逆だし......