A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

35L6アンプ 上手く行かず

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35L6と12AU7で組んでみた。

出力を得る為、Bは倍電圧整流をやって200Vを得ている。(平滑前は250V程)
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OPTのOUTを見たところ。

0.5Vppのハムが盛大に出て、モニタS.Pをブーブー鳴らしている。

シャーシアースに0.1μFから0.47μFに変えると幾分小さくなって写真の状態になったのだが、実用的ではない。

(後から気付いたのだが、オシロスコープのアースが電灯線にCで落ちている様で、GNDをクリップするとハムが出る)

 

それに、入力のRCA端子を繋がず手にしながらシャーシに触れると若干ビリっと来て、どれ試しにと、電話機のダイヤル指掛けの真鍮に触ってみると、静電気程度にチリッと来たから、0.47μでは漏らし過ぎの様である。シールド効果はとりあえず高いが、これではちょいと危険である。

だが、電源の倍電圧のコンデンサで電灯線とは絶縁にあるように一見して見えるが、数十μFともなると電流が流れるという意味であろう。

 

分析を進めて分かったことは、入力を繋がない状態であると、0.1μでもハムは殆どなくなり、入力トランスで入力とを完全に絶縁してやると通常使用が可能であった。

今回、入力トランスを使わない設計にしてみたが、倍電圧全波整流時のアース不十分と、入力のGNDが共通にならずアース不十分でハムが出るのではないかと推測。

昔のレスラジオのP.U入力で使われていた回路構成と同じなのだが、どうもクリスタルP.Uの場合は高インピーダンスであり、電源とは無関係で基準の0Vを共通にならなくとも問題にならなかったのかも知れない。

しかし、静電シールドと電位を合わせる為に、Cで電灯線を漏らしている機材を結合しようと、ローインピーダンスの機器を接続した時とは勝手が異なる様である。

DCのGND電位を共有するには、ちょっと無理があるから、入力トランスを入れる他無さそうだ。

昔々のトーキーアンプは、入力トランスが入っている物が殆どだったが、それの意味なのだろうか。

電源トランスを持った機材でも、そんな事があるのか...?経験が無いから分からない。

 

それで言うと、117N7のアンプは、ヤッツケ感が初っ端からあったが、かなり出来が良かったという事になる…

まぁそうポンポンと都合良くは進まないのは当たり前だ(^ω^;;)
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倍電圧整流をした直後をチェックすると13Vpp程リプルが出ている。

 

全波整流をした場合、シャーシアース側は、電灯線からするとCのプラスから入り、マイナス側に位置するから、Cを通る間に位相が遅れているのではないかと考え、電灯線を直にデカップリングしている位相と比べると、位相ズレが発生、この位相ズレこそが、今回のハムの原因ではないかと考え、半波2倍に変更してみた。

半波の倍電圧法は、昔のテレビジョンによく用いられた回路で、其れ用のハモニカ セレンの整流器が良く使われた。

この場合、アース側は電灯線の片方がダイレクトに落ちる事になるから、コントロールアンプとまぁ同じ状態になる訳だ。

レシーバーの場合は、電灯線の両方をCでバイパスしている場合もある。大多数の無線機はこうなっているハズ。

 

っで、実際どうだったのか。

半波に組み替えてみたが、残念ながら変化なし。

電源ハムが若干増えた。

 

だがしかし不思議だ。

117N7の場合は、入力トランスは用いているが、アースは共通にしていて問題ない。

35L6では、入力アースは完全に浮かさないと、ハムが出る。

 

倍電圧整流をすると、インピーダンスが上がるということだろうか。

117N7は電灯線ダイレクトで整流しているからか?

それともシリコンを使ったから?

こうなってくると、色々実験してみないとならない(汗)
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実はテレビやアンプの修理以外で、倍電圧整流を使って作った事がない。

未知数が大きいが、どうにか使用出来る迄になるだろうか。