A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

MC60

電源を切った時にバキバキと音がしたマッキン MC60の続き修理。

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電源を再び入れるとハムが物凄かったとの事であるが、電解コンデンサが逝っている可能性も考えて、スライダーで徐々に電圧を上げて様子見。

50c/sで117Vに昇圧して使ったとの事だから、電圧が高く出たか、電流が多く流れた可能性も考えられる。

50c/s地域であれば100Vで使っていた方が良い。

117Vに昇圧したいのであれば、60c/sに周波数変換しなければならない。

トランスが50c/s設計であれば良いが、60c/s設計で50c/sで使用した場合に電流が20%増加するから、焼く危険がある。
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スライダーで様子見したが、特にこれと言って問題は無さそうだった。

ただ、防爆弁が盛り上がっていたし、片方はヒビ割れも出ていたから交換した。

Bは400V程出るから、117Vへ昇圧すると450V位にはなるかな。

450Vタップと500Vタップの出た耐圧の、ブロックケミコンだから、結構定格一杯だったのかなと。

交換したのは525V耐圧になっているけれど、最大値の表示ではないかな。480V程が良い所だと思われ。
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平滑1段目は35+35μFで70μF。

5U4をパラってインピーダンスを下げている設計。

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チョークを出て2段目が80μF。

35μFを初っ端でパラって使っているのはインピーダンスを低くする為。

例えば100μF1個よりも、20μFを5個で100μFにした方がインピーダンスは低いから、B級動作時にはアタックと立ち上がりの速さ、良さが変わってくる。

フィルムやオイルはインピーダンスは低いから、100μFなんて入れたら整流管が火花を散らして壊れそうだ。

ショートさせたら弾け飛ぶか溶着してしまうであろう。

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2台目。

これも様子見したが症状は現れなかった。

しかしながら、同様に防爆弁が働きそうな具合でヒビ割れしているだけであったが、交換した。

 

-Cやカップリングも検査したが、こちらは問題なかった。

 

ハムバランスが付いているが、可変しても変化は感じられず、それよりもゾォーとホワイトノイズらしき音がボリュームを絞っても大きいから、アンプ内部で発生しているノイズで間違え無さそう。

大凡の検討からして、初段にテレフンケンのX7、Ecc83が刺さっていたが、これが ゾォー、ザーと結構なノイジーなのであろうと睨んで。

叩いても反応が無いから、ショートや溶接ミスではないらしい。

電子の飛び付きに問題があるだろう。

出てくる音もjunkieな感じで、クラシックコンサートはロックコンサートになりそうだ。

球の問題を伝えて、代わりがあるという事だったから交換すると、ノイズレベルは下がった。

ハイゲインで500mV入力60Wだから、かなり危険と言っちゃ危険な雰囲気はする。

X7が効率良く動いている証拠と言ったらそうなるが、なんだかギターアンプの様である。

マーシャルと大凡良い勝負な様な気はする。

結構低域は出易い。

トランスの巻き方が多く巻いてあるかなとも思ったが、電源トランスは、ケース内でビィーンと鳴いているから、もしかするとそんなに巻いていないかも。だからケースに入っているのかな。

ラックスっぽい気もしなくない。

OPTは特殊巻きしていると思われるが。

 

これにて様子見で使ってもらう事にする。