A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2019/06/14

117N7/117L7

トランスレス ポータブル アンプ用に設計されたと思われる複合管。

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N7の方がPo1.2W、L7がPo1Wであります。

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この球の凄い所は、ヒーターの片線がダイオードのプレートに直接繋がっている事であり、直接電灯線に繋いでくれと言わんばかりの仕様であります。

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図にすると上記の様であり、ヒーターは欧州向けの117Vであります。

国内で使用すると、長寿命化が期待できる。

 

さてさて、この球1本で1Wの出力が得られるそうだから、2本でステレオとすれば、ちょっとしたBGM程度には使えるであろう。

更には電源トランスが不要だから、OPTだけ用意すれば、割りかしローコストで組める。

これを使わない手はなかろう。

昨今はかなり冷え込んでいる音の業界、殆ど安物しか売れず、また雑誌でピュアー品と廉価品とを聞き比べて、廉価品の方が音が良いと評価されるモノだから、一流品は大打撃であったであろう。

結局の所、音の良し悪しはコンピュータと同じで、究極の頂点迄突き上がってしまったのであろう。

後は総合芸術、デザインとをウリにするしか他に手は今の所ないのではないだろうか。

 

難しい時期だが、安くてソコソコ鳴って、小さくコンパクトで、ミテクレも良ければ、売れない事もないのではないかと考えている。

 

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試作試験中の様子

 

ネットにある回路では、AirStationやiPhoneから直接鳴らすにはゲイン不足で、フルスイングしないので、SGからカソードに帰還させる回路へ変更。

ゲインが上がったが、それでもフルスイングしないので、入力トランスを入れた所、丁度良くなった。

大凡、iPhoneのボリューム目一杯でフルスイングとなる。

無歪み1.2Wはクリアしている。

ピークでは4W出ている。

 

そんな大きい音を希望しなければ、低能率のを除いて、問題なく楽しめるであろう音量だ。

6畳間で97dB/Wあれば文句はなかろう。

薄い壁の家なら、音漏れする。

無負帰還であり、ビーム球らしい音がする。

柔らかい低域が豊かに鳴る。