A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2024/05/17

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ちょっと前に手入れしたVictorのカセットレシーバー。

良く動いていたから出荷したのだけれども、カセットのリール台が回らなくなる不具合が発生して送ってもらって。

ただ困った事に、私宅へ来た時点で症状を見せず、数日経てば症状が出るかも。と思って安静にして毎日確認していたのだけれども、一切症状を現さなかった。

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私宅では問題がなく動いてしまっていたが、症状がまた再発する可能性は高いから、一旦分解して様子見してみた。
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リール台の回転不良は、リールモーターが回らない事でも起きるが、恐らくそれはない様な気がする。

というのも、モーターは寿命を迎えた印象はなく、回転も良い。

具合が悪いのは、大凡鳴いたり、手で回して分かる程重い。

機械的不良意外にも、電気的に、制御部が不良になるとすれば、運転中に止まる事もあるだろう。使っていれば温まるし、電源を切れば冷める。

それで具合が悪くなれば、ICか石かも知れないが、それも出ないから、リール台の切り替えプーリであろうなと推測。

機械的不良。

Aurexのテレコでも、この部分の樹脂が変形するのか不良になった物を使っていた事があるから、おそらくこの機体も、この部分であろうと睨んでいる。f:id:A2laboratory:20240517230113j:image

アイドラの遊びが若干多いのが普通らしいが、機械的に当たりが悪いとストリップエラーを起こすから、殆ど遊びをなくして、ピタリに作ったが、これが動きの悪さを助長している可能性も考えて、また僅か削ぎ落として、500μm程小さくした。

オリジナルはもっと遊びが多いが、スリップしていたのか、誰かが上へゴムを巻いて接着剤で付けていたから、やはりあまり遊びを増やしても滑って良く無いのだと思う。

まぁまぁ、それも崩れて不良になったから交換で作ったのであるが、アバウトそうなガタガタの構造の割に、シビアな機構なのであろう。

どのメーカーのも、同じ年代の物は似た機構で、やはりガタの多い機構であるが、割と修理に来るレベルは、当時から多かったのではないかと推測。

メーカーサイドもそれを見越して、交換が容易な様な設計にしている様な気はする。

またひとまず様子見する。

 

 

 

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前職は全国区の鉄道部門の板金屋兼組立の町工場に居たから、金属曲げ加工からフライス、溶接に旋盤、組立から配線迄、人が足らないから大凡の全行程を一貫してやっていたから、どんな具合に品物が成り立っているのかは理解が暫しはしているつもりである。

板金加工は工場にあった様なベンダーがある訳でもないし、コーナーシャーがある訳でもないが、昔の板金折りのコンデンサを見ると、ハンダで継ぎ合わせて作ってある。

これはやろうと思えば作れる。

箱作りは良しとして、それを厳密に密閉というか、封をするのにコールタールが手に入らない。

ワックスで封をする事はやっていたが、眞空管のあの温度では、ワックスが緩くなって良く無い。

それで、工場で使っていたエポキシで端子を作って密閉出来るのではないかと考えて実験中。

今は欲しい部品が少ないし、無いものが多いから、無ければ作らねばならなくなっている。

まぁ、こんな事に全力で取り組んで、幾ら良い物を作った所で、売ってもメーカーの様に名前を売っていないから、1つも売れないのは見えて分かっているから、オーバークオリティに作っても無駄であろうが、後々欲しがってももう手に入らないよ。という後世で価値が出る物にでもなれば良いなぁ(笑)希望。