A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

TELEMEGAFON

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先日譲ってもらったMagnavoxを持って帰って来る。
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手で持っていると大きい印象があるけど、車内でそれを見ると、幾分小さく見えた(笑)


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帰って導通を確認すると、VCはトランスが入っているから外さないと分からないが、数ωだったから、多分生きている。

FCは数十メグω出ていて導通無しに等しい。

木の板だから漏れているのかも。

FCと言えども、この当時は、WE 551と良い勝負の年代だと思うから、電流多く電圧は低い。

高圧のFCは整流管という整流管が出来る前、亜酸化銅の時代から100V前後のは有ったけれども、後になってからの、フィールドチョークとして活用する為の時代になってからの方が200V辺りのも出てきた事と思う。
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それで、この機体はWesternの551と違って、マグネチックではなくて、ダイナミックのボイスボビンで3ω前後巻いてある。

然し乍ら、ボビンから先は、直に振動板ではなく、一旦三点の金属板で一点に寄せて、蓄音器のサウンとボックスよりか硬い振動板を工藤させる方式を取っている。

振動板から緑青の粒々が出ていたから、ジュラルミンではなく、銅板か?

ベコベコしてしまう事もなく、押しても硬いが、僅かに動く。

勿論ギャップ調整も、555の様に行う必要がある。

恐らく、ベコベコ動く、蓄音器や555の様な薄いアルミかジュラ板のダイアフラムではボビンを中央に寄せて維持するだけの力がない。

この構造ではダンパーが無いから、振動板の硬さがセンターを出す肝心要になっている事と推測。

マグネチックよりかは豊かな鳴り方をするかも知れないが、その差はWesternの10Dレシーバーと大差はない様な気もするが、如何程なのであろうか。聞いてみない限り分からない。

 

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端子はハンダがしてあるが、ネジも内側も錆びているし、ハンダも腐って導通が無くても不思議では無い状態。

ただし、温めてやるとハンダが生き返るから凄いもので。
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フィールドは電源スイッチが付いているから、設計は電池の様である?

そうなると、ラヂオセットもA、B、C電池で鳴らしていた頃と思う。

エリミネーターはすぐに開発されるが、整流管はガス管であろう。この頃は。
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端子は一旦外して磨いてやって。

ネジも磨いてオリジナルで。

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当時は4ωだの8ωだのという、今では普通になったインピーダンスも珍しい物だったであろうから、トランスが乗っていて600ω入力になっている様子。

それでも低いインピーダンスであるけど、WE-551はマグネチックでも300ωであるし、P-Bの間に直に突っ込んで鳴らすスタイルというよりかは、3:1かのトランスを入れて鳴らすスタイルをとっているかと思う。

 

FCは何Wで動かすのか分からなかったが、聞いた感じで10V1.5Aで15Wだからこんなモノかなとも思うけど、温まるから、WE-594と同じで7V1Aかな?

大きく変化を起こさないから、7Wかも知れない。

 

それにしても、マグナボックスの初期の頃、1920年代の物にしてはかなり近代的な質感。

RCAのラッパは聞いた事があるけれど、もっとナローな印象。

WE-10Dも硬い印象の音。

Magnavoxはどちらかと言うと柔らかい印象。ギャンと凄い音もするが、それは金属のホーンが共鳴してドギツイ音がしている様に思う。

その点、Westernのホーンはデットニングしていたり金属ホーンでも、ホーンくさくない質感。

紙を貼り合わせたホーンも良いけど、カーブが薄くて、天井へ向けて強いハイが撒き散る印象。

それはRCAもやはり似ている。

マグナボックスは後ろへギューっと”2”の様に曲がっていて音が前へ飛んで来る印象がある。

 

トランスを2段にしてインピーダンスマッチングは曖昧だから、今度マッチングさせて鳴らしてみる事にする。