A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2024/04/05

続き

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仕上げに端子を磨いておく。
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1976年の製品らしい。

あまり古く感じないが、48年も経過している品物。
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試運転。

2時間程は問題無く動いていたが、Lchの音が出なくなった。
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調べるとフィラメントが燈っていない。

A電源B電源メーター信号のプラグは1つだから、そこの接触不良である事は間違えない。

増幅側を幾ら触ってもすぐに消える。

それで電源側を調べると、反応が大きくなったし、メーターの振り方も怪しいから、原因はここらしい。

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昔に何か触っているのか、ソケットに番号が振ってある。基板側にも書かれている。

それで、原因はすぐに分かった。

ソケットが折れているのである。
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フィラメント電源は端らしい。

離れた側はB+であろう。大凡予想はつく。
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このソケットコンタクトは今に無いかも知れない。どうしようか考えて、空ピンを埋めている事に気付いて、これを1つ貰う事にした。

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通電しっぱなしで抜き差し作業したが、半導体素子の場合には、バチバチとアークを発生させると素子をあっという間に壊す可能性があるから、これは真似しない方が良い。

感電の危険もある。
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交換する。
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折れたのを観察。

バネっ気は強めで、摘んでいる部分は薄くなって僅かの掛かりで、如何にも折れ易い構造をしている様に見受けられる。

 

これにてフィラメントは消えなくなった。

動作も一通り問題ない。

 

しかしまぁ、私が“薄情だし面白い音はしないなぁ”と言ってしまったからか、大蔵省が“綺麗に鳴ってはいるが、鳴っているだけで表面的な印象がする”と言い出した。

言いたい意味は分かる。深さを感じない浅く軽い印象がするのである。

それは単に低域の押し出し馬力が無いから、そう感じるのか分からないが、出ていない事もないが、やがり面白い音はしないのである。

サッパリとスッキリ、軽い音である。

ベッタラ ベッタラしていない、乾燥している様な。

恐らく低域がどっしりしていないから、軽く感じるのだと思う。

かと言って、不足しているとも思わないが、私的には好みじゃないなと直感で思った。