A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

修繕

f:id:A2laboratory:20240219232013j:image

2年前に6L6を1本交換した機体が壊れた。

後の3台中1、2台は無故障だと記憶。

1ヶ月前位からハムが程々出ていたらしいが、其の儘使い続けたら音が出なくなったという事で。

f:id:A2laboratory:20240219232035j:image

程々6L6も疲れては来ているが、今回は球自体の問題ではないとみた。
f:id:A2laboratory:20240219232010j:image

5u4もかなり煤けて真っ黒になったが、製作したのが2019年から、週1休みで1日9時間か使ってもらっているが、長持ちである。

USSRのであるから型番は5u4ではないが、相当だから同じとして。
f:id:A2laboratory:20240219232032j:image

裏蓋を開けるとすぐに原因は分かった。

ケミカルコンデンサが逝ったのである。

少し独特の焼けたニオイもする。

それに伴って抵抗が焼き切れ断線している。

他も指定値よりも膨大化して不良である。

白煙を上げたと思うが、特に分からなかったそうな。

f:id:A2laboratory:20240219233659j:image

手早い診断の方法としては上記の挿絵の通りで、壊れた箇所の近くが焼けるか、それに付随して一連の箇所が焼ける。

今回は電源部分だけが焼け切れていたから、増幅部の故障ではないと見当が付く。

初段のB+のデカップリングが逝っているとその前の抵抗が焼けるであろう。

球がショートしていれば、負荷抵抗が焼けるかも知れないが、値が大きい場合には焼けるには至らないかも知れない。

どちらにせよ、ケミカルのパッキンが膨らみ亀裂もあるから、不良は間違えない。

f:id:A2laboratory:20240219232029j:image

低コストで。という事で作ったから、安価なケミカルを選んだが、寿命は短い方に入るかも知れないが、3年動いた事を考えると、こんな物かも知れない。

ただ、別メーカーの安くない物と比べると、耐圧が大きいのに丈が短く小さい。

丈があるのに、体圧が低いという。

容量はどちらも同じで2つ入ったブロックケミコンである。

安価なのには何か理由がある…とすれば、寿命の面であろうと思われる。

f:id:A2laboratory:20240219232017j:image

不良ケミカル
f:id:A2laboratory:20240219232007j:image

安価な物を持っていなかったから、国産の値段する物に変えたが、安価な物を短期に交換しているのと、一級品を値段出して無故障で長く使っている事を考えると…まぁまぁ同じ事なのであろうが、寿命が長い方が、長く使うとすれば良いのかも知れない。
f:id:A2laboratory:20240219232022j:image

交換して試運転。

電圧を見て他が壊れていないか見たが問題ない。

設計通りの電圧が出ていた。

5u4は直熱であるから立ち上がりが2秒である。

それに対して傍熱は速くて15秒前後あるから、5u4立ち上がりを遅延させるのにサーミスタを挟んだ。

これで10秒前後迄伸びて、無負荷の電圧ピークは数秒以内で電圧降下を起こす。

電圧の上がり方もジワジワと来るから、ソフトスタートが効いていると言ったらそんな具合である。

 

 

f:id:A2laboratory:20240219232026j:image
f:id:A2laboratory:20240219232020j:image

不良の膨らんだケミカルを開けてみた。

どうやらハムが出ていた原因は、容量抜けではなく、過電流でリボンがヒューズ代わりになったか破断している。

膨らんでいるから、アルミ筒に切り込みを入れるとプシュとなるかと思ったが、それもなく静かだった。

電解液は湿気っていたからある様だが、密閉度合いもあまり良い物ではないのかも知れない。

専ら、防爆弁があるのか?

無いとすれば、膨れた時に横から漏らす様な、あまり良いシールでもないのかも知れないが、それはそれである意味安全か。

リボンも破断して壊れるなら、燃える事も起きる前に対処してくれる仕様と思えば良さそうだ。
f:id:A2laboratory:20240219232001j:image

Deleの燃えた抵抗は綺麗にその中身を見せてくれて。

どちらも中身は同じ様である。
f:id:A2laboratory:20240219232004j:image

キャップを外すと中空かと思ったが、無垢だった。

 

これにて修繕終わり