実験して温めていた865 AB2 PPを作るか。とトランスを巻いたり用意はしたが、いや待てよ。
データシートにScreen Grid…とデカデカと何度もその語が出て来ていて、μ150はコントロールグリッドに信号を入れただけでは得られていなかった。
それで、図を良くよく見ると、Esgの最大は175vであるが、125vの線も引いてある。
それで、Ecgの図を見ると、今度はEsg125で、Ecgは125迄の表記である。
Esgは175、125、75と50v刻みで、これが見た目揃っている。
従って、cgは動作をさせるかカットオフにするかの操作用のグリッドで、sg変調で使うと、μ150が得られるのかも知れないと思ったのである。
もう思ったら最後、実験してみるしかないワケで、一番最良の使い方が導ける可能性を思った訳でもある。
電源も用意したが、UX-82を整流に使う様に誂えたもので、線を直に引き出したスタイルで、整流管を直立させる事が出来なくなって机上を占領するから、別の実験用に買ったゼブラの古いP.Tを使う事にした。
420-460-500Vのタップで一番低い420Vタップを使っているが無負荷で570V出ている。
オイルコンを使う事前提な感じの仕様である。
cgは0バイアスでEsgに+バイアスを印加し、変調をさせる。
cg変調よりもゲインは大きく、実用的である。
試しに、cg、sgを同時に変調させるとどうなるのかも実験したが、これは低域も豊かに出るし、ゲインも更に上がって、1段増幅の簡易試験用セットで十分な音量が得られる事が分かった。
フルスイングさせるには、1stで参っていて歪んでしまうが、これは前回の実験結果よりも断然に効率が良くなっている。
普通一般ではない回路になるが、動作自体には問題は見受けられない。
電源を入り切りしても安定もしている。
これは良い。
865は球自体は売りには出ているが、製作例も使用したセットも出て来ない。
かつては、日本軍のセットでも使われた様で、ナスの国産の物も中古市場に出回るが、其れらを実用的に使っている強者はまだ居ない(?)様に見受けられる。
確かに普通一般に使おうとするには小難しい代物で、上手い事結果を得ようとするには、考え方を変えないと上手く無い。
ドライブ段を考えても、42、6AQ5を2本も使ったら、10W弱は得られてしまう。
それで、865を動かして10W暫し出た程度では、効率が悪過ぎるのは言うまでも無い。
電球の様に明るい。
明るいシリーズは5B38が該当するが、それ以外はやっていない。
25mA流れて、どれ位のドロップがあるかと思ったが530Vだった。
定格流せば指示通りの電圧に迄下がるであろう。
フィラメントをシリースに繋いでctを使ったが、それではハムが盛大だった。
前々のノートを見返して思い出したが、直熱はシリースに基本繋げない。
パラってバランサで十分に静かになる。