A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

GE 16231AL / Y-2022-2

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この類の航空用の高信頼管ならではというのか、製造メーカー側での試験は合格しているが、エンドユーザ側の試験で不良判定されて返されるという事が多かったそうである。

メーカー側は、あまりにも厳密過ぎると文句を言っていたそうな。

そんなで、間に挟まれる業者は薄利多売になる厄介な代物であった様子。

 

似た様なデザインをしているが、16231とY2022-2は別物の様であるが2022-2はデータシートが見つからない。

16231は金メッキでグリッドのフランジが大きい。

Y2022-2は、ハンダを回した様な銀色で、グリッドのフランジはカソードと同じで引っ込んでいる。

ALはエアラインの意味で高耐久型らしい。

 

新品ではあるらしいが、ハンダしてあったりなかったり、検査でハンダ取り付けしてやっていたのか不明であるが、ソケットというソケットはもしかすると無いような基板付け(?)か、機器に直接埋め込む様な設計の代物なのかも知れない。

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フィラメントを点火するとセラミック越しに非常に僅かに赤くなっている事を確認。

急激な温度上昇は無いから、真空度はあるらしい。

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データシートによれば、パルス用途の球とあり、A1級の動作特性曲線はない。

Pd6W暫しであるが、ピークには強いが連続は恐らく相当発熱が大きくなりそうである。

ただ高周波ともなれば、動作中は殆ど連続に等しい様な物だから、無理させても使えそうではある。

 

とりあえずA1に引き込んで、何mA流れるのか調べることにした。

データシートからすると、Ep250、-2.5vがカットオフである。

0バイアスでEp600であると200mA流れるそうだ。

 

結果的にはμは100、Ep250、0バイアスでもグリッドは相当引き込みがあったがゼロシグナルIk10mA。

思ったより殆ど流れないが、高感度で僅かの変動でバイアスが変わる。リード線のワニ口でも変化した。

 

自己バイアスとしてEg-1とするとIk2mA程に下がってμ70。

但し、S/Nの面では最良に静かなセットが作れるであろう。

MCヘッドアンプを作るのに良いが、航空用、防衛省向けの代物であるという事、一般的では“かなり無い”から、珍しさで言えば飛び級である。

 

初段には入力許容も大きく(A2で振るなら)使える事は分かった。

元々出力用途の球であるから、これをAF出力にしたらどんな物なのかやってみたくなるもので。

もしかすると壊れるかも知れないが、それもこれもやってみなければ分からない。

 

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という事でやってみた。

シングルではB級になってしまって上手くないからppである。

結果は大きい球に劣らないドッシリした音が出た。低域は出ないかと思っていただけに。

低域は豊かで、高域はギャンつかず聞き易い。

0.5Wは程々出るから、ヘッドフォンアンプにしたら大きい球を鳴らしている様な具合に聞こえなくもないかも知れない。

専ら、超級のローノイズ製品であるから、これは良さそうだ。