A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2022/04/29

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UV202に変更して実験。

VT2と大きくは変化は無い。電流も大差ない。

低域ばかりが出て高域が出ないのも変わらない。
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VT1を飛ばして、直接終段を鳴らすと具合良く良いバランスで鳴るから、OPTが塩梅悪いという訳ではない事は確認した。

VT1が癖っぽいのは前から分かっていたが、B電圧が高いと、高域が出なくなり100Vを超えると音も締まって小さくなる。

30V〜60V辺りが一番良く高域も少しは出る様になる。

終段を動かすには200Vは無いと歪みが大きいから高くするが、Bを共有で使う場合には具合が悪いから、240kの固定と150H 3.6kのチョークで段間に入ってVT1に供給。40Vである。

無バイアスに近く0.63mAしか流れていないが、動作はしていて、実測μ4程ある。

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気になったのは中高域の妙な歪み感。

発振はしていないが、大きい信号に対して変調歪みを発するから、ソースに対して違う音が鳴る。

1:3ppの段間トランスは開放でグリッドへ入れているが、220kの抵抗を安定で挟んでやると、中高域の妙な音が消えるが、少し音が小さくなる様にも思え、中抜きした様にも聞こえる。

そうこうやっていたら、上下の終段のグリッドを両方触ると、同じく中高域の妙な感じが消える事がわかった。

開放ではインピーダンスが高くなり、安定に抵抗を入れないと不安定なのであろう。

ギュッとより掴むと中高域は減少して、軽く触ると少し衰退する。

手動の可変抵抗器になった。

具合の良い抵抗を入れておく事にする。

プレート対プレートでも多分DCの差は少ないから感電はしないだろうが、大きい信号が入り50Vを超えるとピリピリしそうであるからやめておく。

 

終段のグリッドに対して、プレートはどれ程のμがあるのか見たら反転した同じ電圧が出ていた。

OPTの2次側スピーカーを断ずると波形は負荷が無くなり大きくなるが、負荷が高すぎるのであろうか。

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別のOPTでも試したが同じだった。OPTが悪いわけじゃなかった。

VT1との結合で高域が出なくなっているのかな。

信号を入れて特性が何処で衰退が始まっているのか検証する必要があると考え、調べると入力トランスは徐々に高域に行くに従って緩やかに衰退していき、高域側の一部にコブが出来ていた。

VT1のプレートからは、300c/sに大きなピークがあり、その後は徐々に衰退し、高域のコブは平坦化されていた。

後段も調べたが、この特性が其の儘終段へ出ている事が分かった。

従って、入力トランスの特性も高域に行くに従って緩やかな衰退を起こしていて、VT1は300c/sに大きなコブがある。

低域が妙に強調されているのはVT1のクセが反映されているが、高域の衰退は作ったトランスが余計に衰退を助長させる原因と思われる。

1:3.5の平巻きの重ねにしたが、ワイドレンジ巻きの多段積層、インターリーブにした方が良いか。

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入力トランスを抜いて、直にiPhoneの出力をVT1に入れてみる。

3.5倍が無くなったから、音量は小さくなったが、特性は改善される事が分かった。

出力の大きい前段があれば、これでも良さそうであるが、WE繋ぎでなくなるが、プレート側のCを抜いたら低域は衰退したから、カソード/グリッドの入力で、トランスと同じ構成になるらしい。

低域は豊かだから、ハイ上がりなトランスを巻けばVT1には都合良く整合性がとれそうだ。

 

1日中色々やっていたら、02のフィラメントが明るい為か、目がチカチカして残像が凄い事になっているし、液晶画面が随分青っぽく見えるという。

とりあえず良い所迄行かないと机が空けられないしトランスも巻けないから、次を考えて一旦片付けて他の仕事をする事にする。

研究費が尽きているから、どうするかはお客さんと相談する。

単に鳴れば良ければ、これで電源を作って渡す。

後で資金が出来たら、改良を重ねるのでも良さそうである。

どちらにせよ、古典球の簡単でない球で、簡単でない回路構成でやろうという、究極にコストの掛かる代物だから、安上がりには絶対総合的に良くは出来ない。

単純な球で、単純な回路ではあるが、これ程に面倒極まりないのは他には無さそうである。

他の人が上手く行かないというのには納得がいく。