A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

RCA Cunnigham manual 1933.

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CunnighamがRCAと統合した時期のマニュアル。

最新の球が2A5で、New tube numbering system. となっている。

2A5は42の後継で、2.5Vフィラメント。

旧番号式の、100番台はRCA、200番台はCunnigham、300番台がMarconiと思われし。

ただ、水銀ベーパーの81は特殊の様で、UX-281がRCA、CX-381がカンニガム、481がウェスティングハウスになっていて合わない。

100番台が付かない表記もあって、UX-80がRCA、C-80がカンニガム、380がマルコニー。

280シリーズはウェスティングハウスもあるし、NU-80だとナショナルユニオンもある。

NUは商社で、製造元はRCAと思う。この辺りはよく分からない。

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1A6、2A3、2A5、2A6、2A7、2B7、6A4、6A7、6B7、6F7しかアルファベット付きは登場していない様だ。

我國では戦後まで馴染み深い2A3は、そろそろ出る6F6、6V6、6L6にとって代わって、古い物の類になる。

WEの300A、300Bも1920年代の代物だから、これも古い部類。

当時ですら骨董品的な品物になりつつあったかも分からないが、WEは機材共にリースだった様だから、一般に出回らない代物ではあった様だが、300Bの次に43、6L6を使う回路を残している位であるから、やはり骨董品であったであろう。

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Circuit Sectionでは高周波、低周波共に解説があるが、ここの初段の回路ではWEと同じ構成の使い方が示されている。最短信号ループ。

1933年代迄は考え方はWEと同じであったらしい。

3段だから、簡単にモーターボーディング発振を起こすから、最短で戻して、安定度を高めた物だと思う。

電源部は、シーメンスがやっていた構成の使い方で、-Cバイアスを得ている。

L2とL3はフィールドスピーカーのコイルを用いている。

 

この方式で-Cバイアスを得る方式を“邪道”と言う輩が居るが、カソードに抵抗ブラ下げてセルフバイアスにしているのも邪道と言っているのと同じで、暴走して電流が増えれば、抵抗の両端電圧は高くなる。従って、バイアスはより深くなるのは言うまでも無い。

もっぱら、バイアスが深くなっても暴走する様な設計をしている時点で、グリッドリークの定格最大を守っていないと豪語していると言って良い様な気はする。

恥ずかしい。そんな人が“先生”と呼ばれているなんて。いや、恐ろしい。

沢山買って欲しいメーカーサイドの回し者かな。

まぁそれは置いといて、-Cの場合はカソード対で-Cの電流を多く流しておかないと、その抵抗値は大きくなるから、注意が必要である。

セルフで500k、固定で100kという表記があれば、-30Vを印加したい場合には0.3mAであるが、実際にはRgと電圧を定めるブリーダーとがあるから、これを加算し、Rkに抵抗があれば、それも加算する。

Rgの100kはカソードから見てグリッドが100kリークである。

アース基準ではない。

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この様に設計されると思うが、Rgを守って100kにしても、一周した時に大きくなっていてはならないのである。

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左はRg100kで守って、-C平滑部分で+60kされたとした時には、一周160kになる。

尚Rkは電流測定用に無視できる程に小さいとして。

右は一周100kを守った図。

この場合にRgは70kになる。

送信管の大きい物の場合は、10k、1kと小さくなるから、グリッド変調は使い難くなるから、グリッドを接地し、カソード変調で使う。

また、抵抗結合ではドライブ段にかなり依存するが、変圧器結合であれば、3:1や5:1を使う事でドライブ段の負荷を軽く出来る。

またトランスの場合は、巻線DCRは多く巻いてあっても小さく済むから有効である。

もう1つの方法として、抵抗結合でRgの代わりに、チョークを入れる事でもDCRは見かけ上ショートに近いが、インピーダンスは高くなるから、信号が潰れる事はない。AC的には数十から数百kになる。(容量によって変わる)

 

どちらにしても1930年代から大きく変化がない球アンプ業界(笑)