A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

WE 555

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某H先生が手を付けて中途半端の其の儘10年位(?)放置されてしまったらしい555。

先生はお亡くなりになっていて、これまた別の某先生が私を指名した流れで本品がやって来た。

やらせれば出来ると推されたが、凄いプレッシャーなんですけども(^ω^;;)

直る保証なんて無いけど、他に当てが無いから、ダメでも何でも宜しく頼みます。という事。

 

VCは既に、見れば分かるという具合に切れているというか、剥かれている。
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ダイアフラム全体を見るのにコアをバラすと、もう片側のVCも切れていた。

片側は繋がっていると聞いた様な?

完全に引込み線は役に立っていない。
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ダイアフラムは腐食が酷く穴空きになっている。

鳴ってもビビるかも知れないけど、鳴らしてみないと分からない。
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引き込み線の内部は線が残っているのか見てみると白い粉が出てくるだけで完全に腐り切ってしまったらしい。
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絶縁材もカチカチで、容易く割れてしまう。
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フレームの際でアルミリボンが出て来た。

僅か数mmしか腐らず残っていた部分は無かった。
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一旦綺麗にして、上側のVCの剥離を修正。ワニスで戻す。
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ボビン自体もバリバリに割れていて、これもビビりそう。

ワニスで定着させたが、裏側から補修和紙で当てをした方が完全であろう。
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フニャフニャに剥かれていたが、どうにか直ってきた。
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リボンは端子迄の長さが足りないが、両方解くとインピーダンスが小さくなってしまうから、これはやらないで、タンノイ方式に引込線を継ぎ合わせる。

継ぎ合わせたらボビンに沿わせてワニスで固定。

 

一行程につきワニスの定着待ち時間があって早くは上がらないが、1つ1つ確実に上がっているから鳴る様にはなるだろう。

非常に繊細故に疲れる。