A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

6A6をフルスイングさせる

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入手した時に簡易で実験して其の儘にしていた6A6を再度研究してみる。

普通一般のA1級ではカットオフに働き過ぎて小さい信号時の分解能が悪くなる。

それで、逆起電力のパワーを借りて、A2級動作をさせて実験したが、1W程度鳴るかな。という程度で、データシートにある10Wにはかなり遠そうに思うが、1Wも10Wも大して変わらない。2倍ちょっと。

80dB/Wのスピーカーを90dB/Wのスピーカーに替えたくらい。
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フルスイングに必要な条件を確認。

信号電圧29Vでフルスイング。

そのフルスイング時に流れ込む電流が20mA。

従って、0.58W以上のドライブパワーが必要である。

12AX7や6SQ7は、1mA程度も流れないから、ドライブには不向き。

12AU7、5965、5670辺りが電流を流せるから都合が良い。

29Vが得られて20mAに耐えられたら良い。

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カップリングにコンデンサを使うと、電流が大きく、連続音で充放電が間に合わなくなる可能性を踏まえて、直結はどんなものかと考えた。

然し乍ら、暫し見受けられる類で、陽極側にコンデンサが無いだけで、陰極側には信号を早く戻す為にデカップリングが入っていたら同じ事であるから、意味がなくなる。

バイアスは各バランスを見る為にレオスタットにした。

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線が多くて球が見えないが、これで動作している。
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5670のバイアスが深く、カットオフに近くなっていたから、浅くして、6A6のセルフバイアスを深くする。

これでようやくフルスイングに近くなって来た感がある。