A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

SL1 試験

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組み上がったから通電試験。

各所のB電圧は低めに出ている。

おかしいな。以前に修理した時は360V近く出ていた様な記憶があるのだが。

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と、1分経たない程かした時、凄まじい爆裂音と共に大量の白煙が。

酷いミス。フィラメントのCを逆接したのである。

いやぁそれにしたって良かった。高圧側でなくて。

こんな小さな物でもかなりの威力、音であるから、大きい高圧のコンデンサがパンクした時は6畳間いっぱいに白煙になる。

音も凄いし、熱いし、見えないし、刺激臭はするわで、あれは最悪手榴弾にもなる場合があるから、古い物はかなり危険だと思って使っていた方が良い。

コンデンサのケースがアルミシャーシの箱を突き破って天井に突き刺さるという話は語部であるし有名である。

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いやぁ、新規で組んで、それの後片付けをする羽目になるとは…慎重さが欠いていた。反省。
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折角であるから、どうなっているのか観察。

外側の筒とは緑の絶縁材で電極とが触らない様になっているから、静電的容量分しか外筒には現れない様である。

昔は紙を巻いたりして絶縁しないと上手くないという説が普通であったが、それは陰極がケースに触れている可能性が有ったから?

ケースが陰極の物もあるから、各社で作り方は様々であろうかと思われる。
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キャップのゴムはt4あり、外れてしまうと中央の穴は大きくなってリードが最も簡単に抜ける程緩くなっている。

筒に入れてカシメた際に圧縮し、リード諸共締め込むものと思われる。

触っていると、ビニール(?)の様な何とも言えないニオイがして好かないから深く迄研究するのはやめにした。
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誤った組み立てを修繕し、再度試験。

やはりB電圧は低めで、設定した電圧が得られず、定電圧放電管が動作し始めない。

でもってNCに繋いだ部分から異常放電が起きている。

Non Connectionは空きタップとして使って良いとされているが、MTの場合はカソード対の電圧が260vを超えると異常放電をステム部分で起こして、バチバチと音がする。

特に低い放電電圧の球であるから、余計に異常放電を起こし易かった可能性がある。

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さて、放電開始電圧であるが、350vは出ると見込んでいたが案外上昇せず、今迄上がっていたのはどういう事なのか?

無負荷運転に近かった?

もう解体してしまったから分からないし、燃えているから正常動作ではなかったという事になるが、どちらにしても正常には動いていなかったから、その時にとったデータも役立たずであったという事になりそうだ…

回路図とも合わないし、電流も合わない。全く厄介な代物である。

やはりネットで拾える回路図なんて物は、不適当極まりない、再検討が必要な物でしかないという事であろう。

例えば、住宅設計にお願いして、図面を起こした物を、他人がやって来て、欲しいからでコピーさせてくれって、そういう事って無いと思う。多分。

それと同じで、回路設計をした上で図面を起こす物であるから、これは一般にお金を取る物であって、郵便受けにネジ込んで行く、チラシとは違う。

ただ、もう今はシングルだのプッシュだの言っても、その構成は決まり切っている様なもので、新しい繋ぎ方は用いられていない。

従って、先人の設計者の考案した物を基礎として用いて、そのパラメータを変えているだけに近い。

そんな様だから、価値のある回路図かどうかは、怪しい所もあるとも言える。

 

まぁそれは置いといて、やる気のないトランスなのか、気が抜けているのか、260v程々しか出ないから、210vスタビライズに変更した。

これで各所の電圧は、計算以上に下がってしまう…はずであるが、実際は求めた電圧よりか少し高く出ている程度。

300vであったら、相当超過してしまっていた。

シミュレーションも当てにならないけれど、Ebbが怪しいだけで、他の各所は計算通りに個々が揃っていて、それもかなり近似であるから、増幅段のバランスは良好であった。

それはシミュレーション通り。

 

 

今日はまた修理依頼品が送られて来て、修理待ちが更に山になって来ている(^^;;

新規製作、研究中のUX-50のppアンプのトランスも別のを巻きたい所であるが、いかんせんアレコレ手をつけ過ぎて作業台が幾つあってもすぐに埋まってしまって良くない。

かと言って場所を広げるのに、膨大な量のストック部品、側から見れば粗大ゴミを捨てる訳にはいかないし、もう手に入らない様な物も含んでいるし、BlackCatなんて数千円もする様である。

粗大ゴミだと蹴る人も、売れたならば金になると知れば、急に丁寧に扱い出す。そんなモンである。

 

明日信号を入れて試験する…