A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

CAT SL-1 作り直し

半年前だったかに修理したCAT SL-1が再度故障。

抵抗が燃えてヒューズ断。

今回は前回修繕した場所ではない部分が燃えていた。

その前から修繕の痕跡があるから、何しからの問題が解決しない儘になっている事は間違えない。

修理は新規に作るよりも大変な作業と良く言うが、それの代表的な状態と言っても良さそうだ。

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そんなで、回路時定数は元の儘に、FET制御をやめて、もっと古典的に壊れ難い方式に変更する事で承諾を得たから、ドック入り。

まずは電源ユニットと増幅器が線で繋がっていて、取り回しが面倒であるから、一刀両断、斬らせて頂いた。

それで、電源ユニットを加工して、メタルコンセントを付ける事で使い易くする。

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なかなか分厚いシャーシであるから、煙を上げながら加工し苦労したが、メタコン仕様にした。

 

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本体側。

抵抗が2つ焼けたが、この周囲が何時も焼け易い。

それ以前から、ペンで書き込みがあるから、相当やり込んでいる様子。

片一方のバランスが崩れて、焼ける、修繕する、もう片側のバランスが崩れて…と繰り返す様。

パターン変更がしてあったり、抵抗が裏面にも渡っていたりして、石を交換したり色々な事をやっているのは伺える。

基板は面倒と言ったらそんな具合である。好きになれない。特に壊れた時は。

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この基板を外すにも大変で、引っ掛かって安易に外せない。

ネジはVRの下になってドライバーも届かない。

基板がフレーム枠よりも大きく斜めにしないと出せないが、RCA端子が邪魔をして斜めにもならない。

手間だけ幾分多く掛かる代物と言えそう。

高級品であるから、やはり其れ相応の手間代が掛かる様な設計なのであろうか。分からない。

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外したコンデンサは絶縁試験をすると1個、充電中にパチンと内部から音がする物があったから、これは不良として、ステレオだからペアで撥ねた。

一応他は使える事は確認して問題無いと判断したが、依頼主からケチって使い回さなくても良いよと言う事だった。

コーネルっぽい感じがするが、CATとも入っているし、CAT音作りの仕様の物とすれば、これは他に変える訳にも行かない訳で、幸い化学変化を起こさないポリエステルフィルムと思うから、これは使わないと音に変化を起こしてしまうであろう。

箔は丸々と巻いてあるから、所謂ハイエンドらしい音がしそうだ。

WEやシズキの潰してあるL成分の低い物とは大分違う。

ケミカルは怪しいから総交換。専ら既に交換されている部分もある様。

どちらにしても怪しいから廃棄。

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アルミの板を切り出してもらって、再構成。

石の平滑はやめて、ダブルチョークで平滑、定電圧放電管でブリーダーとして電流も捨て流して、安定化すれば元と同じか、それ以上と思われ。

ステレオで30mAも流れない設計の様だが、トランスは100mA定格らしく、また更に巻いてもいないらしく、電圧がかなり高く出る。

専ら、ネットにあった回路図は容量も間違っているし、電圧も100v以上実機は高く出るという。

基板を追いながら回路図の訂正とを地味にやる。

 

次に計算とで決定したら、配線流れを考えて配置決定を…

先は長い。

が、簡単に出来ない物程、完成度は高いと思われ。簡単にできる様な物は、それだけ簡易で薄い。