A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

2023/05/10

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先日の続き。

回路図は書き出したものの、作りながら、やっぱり変更した方が良いかなとやって、結局また回路図通りでなく、即興で組み立てた。

変更は後から回路図に書き出すという、逆パターン。

 

とりあえず完成したが、1発で良好な結果が得られる訳が無いから、その辺りは研究を重ねる。

ジワジワやっても仕方ないから、ドン入れで通電試験。

〜100でフィラメント電圧が6.9v出ていて、1割以内にはあるから、これでも良さそうだが、熱雑音の面からすると、これはS/N悪化になるから、〜117に繋ぎかえると今度は5.8v。

1割以内にあるし、S/Nの面からしてもこれの方が良いかも知れない。

Bも少し下がるから程良いか。

この傾向からして、あまり巻いていないトランスの様である。レギュレーションが悪いと言ったらそんな具合。

3Aタップから1.75Aしか取っていないからという事もあるが、トランス単体で売っていた物の方がレギュレーションは良い印象だ。

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1955年辺りのスーパー、電蓄には少し小さいかも知れないが、これの方が余程良い印象。巻き方の上では。

組み込みの場合は、使われ方も決まっているし、ピッタリに誂え、商品化する上でケチれる部分はケチっても、問題でないという事もあるだろう。

部品単品で売る場合は、其の物が重要になるから、セット物に使われているのよりも高価であるが、それだけケチれないとも言える。

酷い物は高価でケチって、5割も負荷を掛けると、電圧も落ちるし、熱々になる、唸る、なんて事がある。これが昨今の現行品でも存在する。

レギュレーションが悪過ぎる。

戦前からレギュレーションの悪い物は存在するし、無線と實驗でも度々話題に上がっている。

一部の現行品でもこれがあるというのは、戦前と然程大きく進展が無いとも言える。

オーヂオ自体、1930年代より進歩はしていないし、もっぱら後退している様な昨今である。

買いたいな、欲しいなと思える現行のスピーカーも無いし、惚れるデザインの機材もない。

薄っぺらいデザインで、奥行きがない。凝りも見受けられない。

 

まぁまぁ、欲しいものが無ければ、自分で作るしかないっていうだけの話で、それはそれで良しとして。

 

出力端子にオシロスコープを繋いで発振の有無を確認、これは所見無し。

ただX7側のchはハムが盛大である。

これはフィラメントをDC点火をしているが、ハムバランサを設けていない為である。

これはベタに共有した方が良い場合、バイアスを印加した方が良い場合、AC的に接続した方が良い場合と、色々な場合を考えて、あえて浮かして様子見した。

だから1発で良好結果は得られないと分かっていたと言ったら、そうなる(^ω^;;)

一番雑音が小さくなる方法で施す。

 

5670のchは雑音も特になく動作していた。

ゲインがX7程高くないし、電流を流してインピーダンスも割と低いから、フィラメントが浮いていてもAC成分が電極間容量を通じて流れ込む事も少ない様である。

しかしながら、それも小さい。というだけで、浮かしておくと具合が悪いから、これも上記の手順で、一番小さくなる方法を探って施す。