A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

放電するかな

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バチバチってやるかと思ったけど、紫寄りのピンク色でボワッとなるだけでバチバチとはやらなかった。火花散らしたら派手だろうなぁ(笑)

こういう症状は大体、次の通電時に逝き易いが、丈夫な球だから、そうは簡単に逝かないっぽい。

6CA4のカソードが逝ったヤツは、かなり派手に火花を散らしていた。ヒューズも派手にバンバン飛ぶ。(金欠学生の頃は危ないのを飛ばしながら使っていたw

80の不良管もやはり火花がフィラメントから出るが、あれはプレートとも距離があるし、チリチリと線香花火の様だった。白っぽい閃光がある。

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ちなみにこの青々しているのは真空度の良い元気な時の光り方。

電子が沢山出る定格に近い動作で、カソードから出た電子が加速して、プレートに衝突しないで横に漏れた電子がガラス面に衝突して青光りしている。

電子光りと言って、グローではない。

グローが出るのはガス管か水銀入り、水素入り。

整流管かサイラトロン。蛍光灯もネオンランプもニキシー管も同じくグロー放電。

蛍光灯はサイラトロンの様に、放電が起こり易い様に僅かの水銀が封入してある。

 

増幅管の場合は、グローが一旦始まってしまうと、バイアス調整では断てないから、大電流が流れて増幅は基本出来なくなる。制御が不能

 

サイラトロンは3極管であるが、これは増幅としての機能はしないで、電子スイッチの役割をする。

負のバイアスをグリッドへ印加しておく事で、放電開始を阻止する。

バイアスを浅くすると、放電が始まり、以後バイアスを深くしても放電は止まらない。

従って、一般にはAC信号を扱い、周期のON-OFFの長さを可変させて制御する。

シリコン素子のトライアックの高圧、大電流版がサイラトロンである。

高周波ウェルダー、ポリ袋の接合、ヤクルトのアルミ蓋の溶着は、サイラトロンが高周波スイッチングをしてくっ付けているのである。

大電流、高圧はトライアックでは追い付かない為に、今尚サイラトロンが必要なのである。

もう眞空管なんて古い素子は何処も使っていないでしょ(笑)って思った方が居たら、今の便利なこの世の中は無いと思った方が良いかも知れない。

そもそも一家に1つは真空管があるだろうし、それを重宝して毎日使っているのではなかろうか。

そうです。電子レンジ。

あれはマグネトロンなる高周波を発する眞空管が入っとる訳で、一番身近な所に残っている訳です。

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左の交換した807は生きが良かった。青々電子が撒き散っている(笑)

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CV9の珍しい電子光り(?)

プレートとマジックアイの蛍光塗料のラインと同じ様なレーンを流して組み立てしていたのかなという具合。

それか、組み立ての工程を複数担当していて、マジックアイの塗料を触った手でプレートを組み立てていたのかな。それはないな(^^;;

 

青々しているのは電子光りであるが、不思議な事にプレートの外側がマジックアイの様な緑色に光って、信号に合わせて、この模様が変化を起こすから、電子に反応している事は間違えない。

電子光りも、コントロールグリッドの変調具合で電子の飛び具合が可変するから、光りが暗くなったり位置が動いたりする。

 

 

 

§ 

 

ps:

良く考えたら、整流管がガス放電を起こすのだったら、エミッションが良ければ、多分逆流はフィラメントから出る電子によって弾き返されて、阻止される。

立ち上げの瞬間にフィラメントよりも前に放電が始まる様だと、逆流が起きるかも分からないが、電流は放電していた方が増加して、内部インピーダンスも恐らく下がるから、安定で良い放電であれば、これはこれでも良い…
というよりも、放電していた方がレギュレーションはかなり良くなる可能性がある。

異常放電も上手く使えば、水銀整流管レベルにレギュレーションが良くなる可能性があるかな。

ただ放電は、電流がそれだけ多く流れている訳だから、通常よりも発熱が大きくなるのは言うまでも無い。