A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ELL80 アンプを組み立てる

今はガレージメーカー…いや、物好きの趣味の実験室であるが、ベントレー位に気品高い物を売る様にしようではないか。

夢は大きく(笑)

とは言っても今はとりあえず5倍を目標にしておく(笑)

これ現実(笑)

§ 

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Rifaのコンデンサが入った。

仲介があるがポーランドから来た。

Elyt Long Life

エリートと読むのかな。長寿命なんて謳う所が何とも古臭い様な、ヴィンテージ感があるが、昔から何も変えず製造しているのかな。

ゴムシールのカシメ方が、何処とも異なり、唯一の設計だから、見ればすぐ分かる。

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フィルムタイプの透明のはかなり古くからあって、古くなると飴色になる。
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巻き方はシズキともフィリップスともウエスタンとも同じで、丸々させない方式。

丸々させるとL成分が大きくなるから、際どい音が出る様に、今ではハイエンドで良く使われているが、潰してあった方がクセが少なく良い。
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組み立て。
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配線…
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Un. 

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Deux. 
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Trois. 

基板1つで済ませたら、配線は楽であるが、流れを配慮しないと高インピーダンス回線では問題がある。

特にX7の様な高ゲインの球はシールド線を使わないと宜しくない設計の物は多い。

結局シールド線は、100pfかは最低でも容量があるから、コンデンサをブラ下げて、発振防止に高域をカットしたも同然で、真のHiFiとは言い難い。

シールド線を使わなくても問題のない設計にすれば良いが、制約も多いし、バランスが難しいという事はある。

今回はシールド線レスだから、X7の時はクロストークが悪化しそうである。一般並のセット程度に思えば悪くないだろう。

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Space Probeと同じくワックス紐結び。

コスト低の場合はやらないが、薄利多売でも今回は特別だ(笑)

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試運転。

U7を挿したが、見事に発振した。

ブィーンと低周波であり、オシロで確認しても高周波は出ていない。

観察すると、矩形波である。

初段のPをプローブ也テストリードで触っても変化があり、ドライブのPに当てると発振が止まった。

試しにテスト信号を入れると、初段のPに信号が出ないし、Kに電圧も出ていない。

不良のU7だったらしい(^ω^;;)

交換すると信号は出たが、矩形波発振は相変わらず変わらない。

ドライブの球に手を近付けるだけで発振周期が変化して、テルミンになっていた(笑)

 

信号を片ch入れて、セパレーションを確認すると、発振を止ますと問題無いが、発振させると両ch信号が出て漏れるから、終段のsgが不安定になったなと当たりを付けて、抵抗でリークさせてみたが、小さくはなるが、大信号を入れるとsg発振変調しているから、もう1個デカップリングを入れて安定して異常発振は止んだ。

Kへ戻した方がループが早くなるから良いだろうと思ったが効果なし。

電源の入り切りを素早くやると、ザッと一瞬鳴るから安定が悪い。

結局ドライブ段からsgへ供給するのが安定で問題なくなった。

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X7が適当に転がっていたと思ったが、探しても見当たらず。

使わないから箱売りした時に持って行ったかな?

現状で400mV入力程度でフルスイングする余裕があるから、10時程度で十分な音量が得られるが、X7にするとVRは9時にでも上げたら結構な爆音が出そうな予感がする。

別機器から拝借する。

 

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NFはOutで十分HiFiに聞こえるが、Inにすると更に明るい音が出る。

ゲインが落ちている印象はなく、ハイが上がる。発振はしないがPFBらしい。

オシロで確認すると、位相が遅れて出力されているが、逆相である。

sweepで確認するとピタリ一致は5-8kc辺りで、他は遅れに出ていた。

 

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NFは確認に逆接にすると音が小さくなった。

おかしい。おかしいぞ。

逆相になる様に設計して逆相で戻したが、正帰還だった…。負帰還ではないではないか…

 

これは研究すると謎が解けたから、別の時に触りにする。

 

修正して仕上げて完成。
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パイロットがまだ眩しかったからもっと抵抗を追加して暗くした。

とにかくボンヤリしているのが良い。

ドラッグストアの異常な高照度なのも好かない。蛾じゃないから寄らん(笑)

やってるのか閉まってるのか、暗いなぁという喫茶店には入りたくなる。落ち着く。

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10Wは出てるだろうな。結構迫力があるが、柔らかい様な低域の印象。

NFを入れると若干引き締まる様な雰囲気だけども中高域の明るさが軽減されてデジタルくさい様な。ピークが潰れるかな。オーバーシュートが少なくなるのか。

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漏れた電子がガラスに衝突して青光りしている。

生きが良い高真空の色合いである。

次第に消えて行って、次に光る時は赤を含んだ色に光出すか、それもなく御愁傷様か、どちらかであろう。

赤が混ざるとガスか真空度が悪い不良品。

薄青白いのはかなりの量の空気が入っているが、まだ低真空。

異常電流が流れるから盛大にハムが出るだろう。

この前のU19は早い段階でピンク放電になったが、あれは珍しい類だろう。

コンデンサの寿命も来た程度で交換を必要とするかしないか。そんな程度と思われ。

高周波回路と違って、低周波は軽い動作であるから、過負荷でなければ寿命は長い。

 

とりあえず、まだ変換アダプタが来ないから、明日また試運転して問題無いか確かめる。