A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

4A Reproducer 分解する TA-8005 続き

TA-8005のP.Uは予備にと同梱してあった物へ交換した。

交換するならば、アームごと求む。という事だから、アームごと交換したが、内配線は末端端子処理方法が違ったから、線は其の儘。

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少し疲れているミテクレであるが、まぁまぁ。f:id:A2laboratory:20230213231135j:image

発電電圧は150mVか、200mV前後あるから、Auxへ入れても確かに鳴らせる。

ただ、割と高感度な、昔の仕様のコントロールアンプでないと、現代の物では、1Vか2V程を入れられる推測で作っているのではないかと思われるから、最大ボリュームでもパワーアンプへの送り出しは小さいのではないかと思われる。

昔のチューナーとパワーアンプがセットになった様な、複合機の様な物は、大凡200mVも入れたらば、フルスイングする様な高感度の物が多い様に思う。

 

前のUPしたものはバグっているのか、途中で動画が止まって意味わからんものになっていたが、今度のは大丈夫そう。

多分こちらの送信時にバグって送ったのだと思う。

 

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モーターのパッキンがファイバーらしく、トランク型なのに横置きではオイル漏れを地味に起こす問題ありな設計であるが、まぁまぁ来た時に乾いていた意味はよくわかった。

ソーイングマシンの様に、運搬時はオイルは回収する様な具合に、漏れる事を想定して、毎度手入れしてやってね。という具合であろうか。

使い勝手が悪いのを、徐々に改善して近代へ近付く訳で、古いバージョンの物は、何がしかに不具合があっても、当時の当たり前であった可能性は身構えていないと使用出来ないであろう。

今の便利が、昔の物でも通用すると思うのは、それは間違っている。

 


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4A Reproducerの修理や分解といった類は聞いたことがないし、内部構造も見た事がない。

どちらにしても、問題のあるP.Uであるし、ネジの頭に封がしているのも取り除かれ、前オーナーかが分解をしたのであろうと思われる。

ネジは渋く、開けるのに苦労したが、なんとか舐めずに外せた。

さて、蓋が開くかと思ったが、全く開かない。

マイナスドライバーで抉るにも隙間がない。

仕方がないから、ナイフを僅かの隙間へ当てがって、モクハンで小突いて、ようやく開いたのである。

………

しかしである。

 

内部には石油系の臭いのする黄色い液体で満たされていて、マグネットは見えるが、振動子部分とコイルは全く見えない。

また、かなりの量が充填されていて、傾けると溢れてしまう。

なにより、引火しそうな危険な臭いであり(葉巻を吸っていてw)、手で触るとニスの様に速乾的で、空気に晒していると、固まりそうに思って、すぐさま蓋を閉じ、ネジを締め直した訳である。

ネジが5本、確かによくよく考えてみたら、こんな小さいものの蓋を閉じるのに、幾ら厳重とはいえ、5本のネジが必要であろうか。

1つ前の、3A Reproducerに於いては、ネジが1本で本体のケースが閉じてある。

厳密には、上下で挟んでいるだけ。

 

調べると、4Aの内部にはダンピングオイルが充填されているという事で、針先の丸い部分は薄い膜で、これが錆びると漏れ出るそうである。

このオイル自体が固くなって、ダンピング制動が強過ぎて発電量が小さくなっている可能性も十分考えられるが、開けない方が良いであろう。

特に今回はお客さんの預かり品であるし、”ダンピングオイル”なのかも、何なのかも良く分からないから、とにかく深く触るのは止めにした。

1920年代ともなれば、人体に何がしかの影響のある、危険物を混ぜて使っていても不思議でない頃なのではないかと思ったり、そんな事が頭を過って、危険性を色々な意味で感じた(笑)

放射性物質の赤いマークのある球も、ウエスタンはあるから、とにかく古い物は凄い危険な方法で良質な結果を得ようとした産物である可能性のある物に当たる事も少なくはなかろう。

 

 

これにて修理完とする。