客先さん所にて。
1920年代の電池式のラヂオ、所謂古典ラヂオ(上記挿絵の様な時代の)であるが、これを大きい音で鳴らした事がないというから、どれ試し。繋いでやってみたのである。
本機は壊れ様のない様な構成の5球で、程度はスコブル良いから、アンテナさえ良ければ、鳴るだろうと踏んだ。
バリコンとコイルが3つづつ。
レオスタットでフィラメントを加減して音量を変化させる方式。
ラッパはWE 10-Dである。他に陣笠があるが、センターがズってしまっていて要調整。ビビる。
バッテリーの代わりのエリミネーターを使って通電したが、B電圧も低いし、電流も多く流れる訳でもないだろうし、飛ぶ事もないだろう。
3つのバリコンの1つを適当に合わせて、2つを両手でクルクルやって、音になる所を探す。
NHK第一は感度が低い。ラッパに近付いてやっと声が聞こえる。
第2はまずまず大きい。
米軍放送AFNは蓄音器以上に大きく鳴った。
次いでTBSかな。感度がやや劣る。文化放送の方へやろうとするとバリコンが目一杯で、異常発振を起こして、ピーと鳴り出した。受信周波数帯域は狭い様だ。
1920年代の物としたら良く動くと思われる。
ただ、声はかなり歪っぽく、音楽はあまり聞けた物ではないというのが正直。
ラウド スピーキング テレフォン。まさしくそんな音である。
球は何だったか見なかったが、全てナス管。箱を閉じると電球の様に燈って綺麗である。
マグネシウムゲッタが上一杯に入っているから、袴の方が照らされている程度であるが。
まぁまぁ。この時代としては蓄音器があった訳だし、音楽鑑賞は蓄音器か映画館でフイルム。トーキー。
ラヂオはニュースやら株やらを聞く為の物だったと思う。
まだ何となし、レシーバーで聞く鉱石の方がもしかすると良い音だったかも知れないが、大きい音が出せるのは魅力だった事と思う。
次は少し時代を進歩させて電蓄を修理する事になった。
これはダイナミック型が入っているから、格段に進歩した音がするだろう。