A2 Laboratory. Work shop

Abraham Audio Device Industrial Labo.

ラヂオ鳴らす

f:id:A2laboratory:20220717231304j:image

客先さん所にて。

1920年代の電池式のラヂオ、所謂古典ラヂオ(上記挿絵の様な時代の)であるが、これを大きい音で鳴らした事がないというから、どれ試し。繋いでやってみたのである。

本機は壊れ様のない様な構成の5球で、程度はスコブル良いから、アンテナさえ良ければ、鳴るだろうと踏んだ。

バリコンとコイルが3つづつ。

レオスタットでフィラメントを加減して音量を変化させる方式。

ラッパはWE 10-Dである。他に陣笠があるが、センターがズってしまっていて要調整。ビビる。

バッテリーの代わりのエリミネーターを使って通電したが、B電圧も低いし、電流も多く流れる訳でもないだろうし、飛ぶ事もないだろう。

3つのバリコンの1つを適当に合わせて、2つを両手でクルクルやって、音になる所を探す。

NHK第一は感度が低い。ラッパに近付いてやっと声が聞こえる。

第2はまずまず大きい。

米軍放送AFNは蓄音器以上に大きく鳴った。

次いでTBSかな。感度がやや劣る。文化放送の方へやろうとするとバリコンが目一杯で、異常発振を起こして、ピーと鳴り出した。受信周波数帯域は狭い様だ。

1920年代の物としたら良く動くと思われる。

ただ、声はかなり歪っぽく、音楽はあまり聞けた物ではないというのが正直。

ラウド スピーキング テレフォン。まさしくそんな音である。

球は何だったか見なかったが、全てナス管。箱を閉じると電球の様に燈って綺麗である。

マグネシウムゲッタが上一杯に入っているから、袴の方が照らされている程度であるが。

 

まぁまぁ。この時代としては蓄音器があった訳だし、音楽鑑賞は蓄音器か映画館でフイルム。トーキー。

ラヂオはニュースやら株やらを聞く為の物だったと思う。

まだ何となし、レシーバーで聞く鉱石の方がもしかすると良い音だったかも知れないが、大きい音が出せるのは魅力だった事と思う。

 

次は少し時代を進歩させて電蓄を修理する事になった。

これはダイナミック型が入っているから、格段に進歩した音がするだろう。