UY-807は大型送信機のドライブ、もしくは送信管、レーダー、ブラウン管の水平出力用途、PA向け拡声器に。
我國では6CA7に代わる迄は、設備PA、可搬型のものとして、42ppの中出力型、807ppが大出力な物として昭和32年代迄使われていた。
国産のメーカーPAセットでは、6V6、6L6は見たことが無いが、モニタ用のパネルで6V6は使われているのは見た事がある。
戦後、807は軍の放出があって、値段相場も下がっていた事であろうから、比較的最新の6CA7を使うよりかは、馴染みのある、安価で手に入る物が選ばれた事と思う。
42は42で、5級スーパーのラジオセットに使われていたから、これも数があるし、数出るから、値段も比較的安価な部類であった事と推測。それでも当時は高級品であるが。
その中でも、807の改良型807Aは航空機レーダーに使われた球で、スマートな外見になっている。軍で放出があったのも807Aが多い。
金属ベースで、古い物はセラミックであるが、後期はエボナイトの様だ。
GTの引き出しになっているから、6L6の製造工程でプレート引き出しをトップにしたのではないかと推測。
今では見かけなくなった球だから、あると高いが、五家さんだから幾らでもなかった。
後期の製造であるし、サクラ印も無く、東芝ロゴだから製造最終の頃の一般販売された口であろう。
サクラ印があれば、日本軍の放出品。
警視庁のマークも稀にあるが。